16日に函館競馬場で行われる函館記念(GIII、芝2000m)の「血統傾向」を分析する。
2018年以降の函館記念で3着内に入った種牡馬データを集計、下記の成績表をもとに推奨馬を紹介する。
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目次
■スタミナを受け継いだハーツクライの血を持つ馬に注目
過去5年の種牡馬データを見ると、ハーツクライやシンボリクリスエス、オルフェーヴルといった有馬記念の勝ち馬が名を連ねているように、スタミナ豊富な種牡馬が活躍していることがわかる。特にハーツクライ系は2020年にジャスタウェイ産駒のアドマイヤジャスタが15番人気の低評価を覆して勝利するなど、3頭も馬券圏内に好走馬を輩出しており、注目だ。

一方、ハービンジャー産駒は8頭出走したが3着以内に入った馬はなし。今年、上位人気が予想されるハービンジャー産駒のローシャムパークあたりは疑ってかかりたい。
このようにハーツクライ系が好走できる理由は、コース形態と馬場状態にある。函館芝2000mは、最初のコーナーまで約475mも直線が続き、最後の直線は約262mと短いコース形態。そのため、各馬の先行意識が強く、ハイペースになりやすい傾向にある。
また、開催最終日ということで馬場も荒れ、よりスタミナの問われる馬場になっていることも特徴。
今年も、テーオーシリウスやユニコーンライオン、ローゼライトなど、逃げ・先行馬の出走が多く、ミドルからハイペースになりそうなメンバー構成だ。
そこで浮上するのが長くいい脚を使え、スタミナに富んだハーツクライの血。
今年もスタミナ勝負を制して突っ込んでくることに期待し、ハーツクライの血を内包する2頭を推奨馬としてピックアップしたい。
ここではハーツクライ産駒に注目する。
■スカーフェイス
昨年の函館記念では、後方から競馬を進めると、3角で最内からじわじわとポジションを上げ、直線に入ると外から上がり2位の脚を使って追い上げ、3着を確保。
本馬はここまで重賞未勝利と勝ち味に遅いタイプではあるが、中山金杯では終始大外を回りながらも2着に入るなど、重賞タイトルにいつ手が届いてもおかしくないポテンシャルを持っている馬だ。
やや展開待ちのところがあるにせよ、ここまで6戦連続で上がり3位以内をキープしており、7歳となっても終いの脚は確実。昨年と同様に、ハイペースでスタミナが求められるレースとなれば、再度の好走は十分見込めそう。
また、父ハーツクライ×母クロフネの牡・セン馬が、前走で阪神の芝を使って、勝ち馬から0秒5以内の差で負けた場合の次走成績は【6.0.4.3】。勝率は46.2%、複勝率は76.9%と抜群の好走率を誇っており、単勝回収値についても「203」をマークしている。
このように阪神で惜敗した次走は巻き返してくる血統傾向なのもいい。人気は2桁濃厚。大穴がバンバン来る荒れやすいレースでもあり、馬券の相手にはしっかりケアしておきたい存在だ。
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文●中井達也(SPREAD編集部)