ボルチモア・オリオールズの藤浪晋太郎は、今季ここまで48試合(7先発)に登板し5勝8敗、防御率7.96。22日(日本時間23日)現在、チームは貯金「30」でア・リーグ東地区首位を快走している。
藤浪はシーズン序盤制球に苦しみ、リリーフへと配置転換。ポテンシャルの高さが認められ、オークランド・アスレチックスからトレード移籍。夏場に入って別人のような投球を見せている。
◆【実際の映像】藤浪晋太郎、最高の“女房役”と笑顔でハグにファンも感涙…!古巣との3連戦をスイープ
■チームを劇的に変えた、若き天才捕手
MLB公式『Baseball Savant』によると、ここにきて、藤浪の“命綱”でもあるフォーシームに劇的な変化が見られる。結果が出なかったシーズン序盤4月は、フォーシームの回転数がメジャーワーストクラスの平均1860回転/分だったのに対し、8月は平均2124回転/分まで向上。
平均球速も、4月の97.0マイル(約156.1キロ)から8月は99.8マイル(約160.6)まで毎月上昇を続けている。重力含む縦変化が7.6センチほど減少、より「回転数が高く、伸びのある」ボールへ進化を遂げているのだ。
先発時より球種を絞ることで、制球力も向上。直近3登板でも無四球を続けている。さらには、新天地オリオールズの若き“司令塔”アドリー・ラッチマンとの相性も抜群のようだ。
2019年ドラフト全体1位指名のラッチマンは、昨季5月メジャーデビューを果たすと正捕手に定着。バランスのとれた打撃に、優れた守備力と強肩、強いリーダーシップで再建期のチームをシーズン勝ち越しまで押し上げた。遠くない未来、メジャーナンバーワン捕手に君臨するであろう逸材だ。
ラッチマンは、繊細な藤浪を「気持ちよく投げさせる」ことに注力していると聞く。笑顔を絶やさなくなった藤浪の姿が、充実ぶりを何よりも物語る。“未完の大器”と謳われ続けた男が最高の相棒と出会い、世界一の舞台で躍動している。
◆藤浪晋太郎、“最速球”トップ5独占で古巣3連戦をスイープ 貯金「30」で勝利後は捕手とハグし談笑
◆渡米1年目の藤浪晋太郎の英語力に米ファン驚き 流暢なジョークに「なんでフジはこんなに上手なの」
◆藤浪晋太郎の“笑顔爆発”に「泣きそうな今日この頃」 新天地で出会った最高の相棒にファン感慨
文●SPREAD編集部