ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平は、今季打率.304、44本塁打、95打点で本塁打王を獲得。故障が響き、9月3日(日本時間4日)の試合を最後にシーズンを終えたが、衝撃的な1年を彩った数々の記録は色褪せないだろう。
ここでは、毎年進化を続ける“球界の至宝”の打撃に焦点を当て、公式データを読み解いてみたい。
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■描いた「目標」が実現した1年に
MLB公式『Baseball Savant』でコース別打率を調べると、今季の大谷は弱点が見当たらない。ア・リーグ4位の打率.304を残したのも頷ける無双ぶりだ。ストライクゾーンで打率3割を唯一切ったのが、インコースの低めのみ。とは言え、打率.292で本塁打も3本マークしており「穴」であるとは到底言い難い。
そして、驚くべきは高めのボールゾーンだ。インコース、アウトコースともに打率3割を大きく上回る。とりわけアウトコースが圧巻で、打率.393、11本の安打を記録。低めのボール球を見極めれば、三冠王も狙えるだろう。
2022年は打率.273で、前年より2分近く打率を上昇させるも本塁打が12本減少。大谷は、昨季シーズン終了後に「打率3割を狙いつつ、どこまで本塁打を打てるか」がテーマであったと明かしていた。今季はまさに有言実行。27試合に欠場するも、本塁打44本。打率3割を打ちながら、スラッガーの頂点に辿り着いた。
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文●有賀博之(SPREAD編集部)