ア・リーグMVPを受賞した大谷翔平投手の移籍先はどこになるのか。連日、その去就に注目が集まっている。
全米のみならず、カナダにも球団を設けるメジャーリーグにおいて、個性豊かな本拠地球場は所属選手のパフォーマンスに大きな影響を及ぼす。ここでは、メジャー6年間の大谷の打撃成績を球場別に比較してみたい。
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■好相性のエンゼルスタジアム
米データサイト『Baseball Reference』で、大谷の通算成績を球場別に調べてみた。プレー回数が多いのは、当然ながらロサンゼルス・エンゼルスの本拠地エンゼルスタジアム。351試合に出場し打率.277、99本塁打、233打点、OPS.954。通算100号まであと1本に迫っている。
現在も使用している球場でプレー回数を「10試合以上」に限定し、通算打率を比較すると、打率トップはロサンゼルス・ドジャースの本拠地ドジャースタジアムの15試合で.357に。今季は初の本塁打も記録し、入団を待ちわびるドジャースファンから熱烈な声援を浴びた。カンザスシティ・ロイヤルズのカウフマンスタジアムが11試合出場で同じく.357、タンパベイ・レイズのトロピカーナフィールドが.356と続く。
一方でもっとも苦手にしているのが、ニューヨーク・ヤンキースの本拠地ヤンキースタジアム。4本塁打こそ光るものの、13試合で打率.130と結果は今ひとつ。左打者に本塁打が出やすい球場とされているが、気温や標高などが影響し、今季は打球飛距離が全30球場で一番減少したというデータも。さらに鬼門となりそうなのが、シアトル・マリナーズの本拠地Tモバイルパーク。全30球場でもっとも投手有利な球場で、大谷も31試合に出場しながら、わずか打率.184と苦戦している。
直近3年間で見ると、エンゼルスタジアムは本塁打の出やすさが全30球場で5位。二塁打や三塁打の指標は平均クラスで、実は投打二刀流の大谷にとって最高のバランスを誇る。エンゼルス退団が既定路線になりつつある移籍報道だが、プレー環境だけを見れば理想的な球団と言えるだろう。
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文●有賀博之(SPREAD編集部)