■随所に見られた大会のエンタメ性
また日本初開催のWTTシリーズを盛り上げたのが、会場に駆け付けたファンの存在である。名古屋だけでなく日本各地からファンが訪れただけでなく、国外からのファンも姿を見せた。なかでもシングルス、ダブルスともに優勝した中国の応援団は圧巻。日本勢で唯一決勝まで勝ち進んだ長﨑、木原が戦った孫穎莎、王曼昱との決勝では、国内の客を飲み込んでしまうような中国ファンからの大声援が選手に送られた。国内ファンと国外ファンが共存する様は国際大会に相応しい空気感があった。
ダケット氏は「日本人のファンはほかの外国のファンに比べたら少し静かでおとなしめの感じがしますが、それがこの大会をより独特で特別な雰囲気を醸し出すことにつながっています」と今大会の様子を振り返る。また、「WTTのイベントは世界中で開催していて、毎回音楽や照明、エンターテインメント面、いろんなイベントの工夫をしています」と日本流のオープニング演出も見られた競技外の部分についても言及した。
大会中はオフィシャルグッズや卓球用品の販売が行われたほか、選手の練習見学やファンブースでのサイン会も実施され、選手との交流時間も設けられた。トーナメント形式の大会では激戦が繰り広げられた一方で、「卓球」をいかにエンターテインメントに昇華させ、見るものを楽しませるか。これまで世界各国で開かれてきたWTTシリーズを組織の理念の下に日本でも認知させ、広げていこうとする工夫が随所に見られてた。
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— World Table Tennis (@WTTGlobal) December 17, 2023
■日本の大会実績に太鼓判
今回の名古屋シリーズについて、「今回WTTを日本で開催するのが1回目で、大変喜んでいます。また女子と男子を分けてWTTの試合をするのも今回が初めてで、このような形で開催することができてとてもうれしく思います」と語ったダケット氏。今回の日本初上陸を経て、次回以降開催のプランは現状であるのか。
日本開催の今後について聞くと、「日本はWTTにとってとても大切な国だと理解しています。日本は素晴らしい大会を開催してきた実績がありますので、日本でWTTのイベントをもっと開催していきたいと思っています」とコメントした。人気選手を揃え、来年のパリ五輪でもメダル獲得が期待される日本でWTTシリーズを通した卓球のさらなる普及と、野球、サッカーのようなメジャー競技に続くようなスポーツエンターテイントの可能性を感じさせた。
3日間にわたり行われた「WTT女子ファイナルズ2023」。名古屋の地で繰り広げられた日本初開催の卓球の祭典を通して今後さらなる展開は見られるのか。卓球をより世界的なスポーツに、そしてエンタメ性を含んだものにするべく活動を続けるキーマンの姿があった。今大会を経て、WTTシリーズの近い将来の日本再開催に期待を膨らませつつ、これからの推移を見守りたい。
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取材・文●井本佳孝(SPREAD編集部)













