ドジャースの大谷翔平投手が3日(日本時間4日)、移籍後初めてエンゼルスタジアムに凱旋。「1番DH」で先発出場し、第2打席で適時三塁打を放つなど古巣ファンの前で躍動した。チームはタイブレークの延長10回、ムーキー・ベッツ内野手の3ランが飛び出すなど一気に4点を奪い、6-2で突き放した。貯金は今季最多の29となり、地区優勝へのマジックを18とした。
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■凱旋試合で自己最多81本目の長打
レギュラーシーズンで、移籍後初めてエンゼルスタジアムでプレーした大谷。詰め掛けたファンからはMVPコールも巻き起こり、歓迎ムードに包まれる中で打席に立った。
3回の第2打席では同点の適時三塁打を放ち、自己最多を更新するシーズン81本目の長打をマークするなど、かつての本拠地で躍動した。
この日、最も注目を集めたのが、延長10回で迎えた第5打席。ドジャースはミゲル・ロハス内野手の適時打で1点を勝ち越して、なおも2死二塁のチャンス。ここで大谷が登場し、球場のボルテージは最高潮に達した。しかし、エンゼルスベンチは申告敬遠を指示。すると、一転して大ブーイングがグラウンドに降り注いだ。
結果的にこの策は裏目に出た。2死一、二塁となったところで、大谷の後を打つベッツが初球を捉え、左翼席へ3ランを叩き込んだ。
2021、23年のMVPを避け、18年MVPとの勝負を選んだことについて、エンゼルスのロン・ワシントン監督は「最初の3人(大谷、ベッツ、フレディ・フリーマン内野手)を相手にする時は、(すべてが毒だと分かっているが)どの毒を選んで飲むか、その判断をしている感じだ」と表現し、MVPトリオを迎えるにあたっての心境を吐露した。
■ロバーツ監督「作戦としては妥当」
その上で「オオタニにスイングさせるつもりはなかった。ベッツには大きな敬意を持っている。ただ、あの場面ではロアンジ・コントレラス投手が良い球を投げて、ゴロを打たせてくれることを願っていたんだ」とし、大谷を避けてベッツとの勝負を選んだ意図を説明した。
一方、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「相手ベンチが自分の前の打者を歩かせた時、後続の打者は期するものがあるんだよ。ワシントン監督に私的な思いがなかったことは分かっているし、野球の作戦としては妥当だ。ただ、自分の前の選手を歩かされると、次の打者にとってはそれが大きなモチベーションになるんだ」と話し、ベッツの内心を推察した。
大谷を避け、ベッツ勝負を選んだワシントン監督。ベッツのプライドに火をともすことになってしまったようだ。
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