【MLB】なぜトライネンは「36歳で2年33億円契約」を勝ち取れた? 進化続けるブルペンの“屋台骨”の魅力とド軍からの信頼

【MLB】なぜトライネンは「36歳で2年33億円契約」を勝ち取れた? 進化続けるブルペンの“屋台骨”の魅力とド軍からの信頼
ドジャースのブルペンを支えるブレイク・トライネン(C)Getty Images

10日(日本時間11日)、ドジャースが正式発表したブレイク・トライネン投手との再契約。2年2200万ドル(約33億円)でのディールは、36歳のベテラン中継ぎ投手と結ぶ契約としてはなかなかの額ではないだろうか。

トライネンは2022年のオフに右肩の手術を行い2023年シーズンは全休、今季の5月に復帰を果たすと50試合に登板、46.2回を投げて7勝3敗16ホールド1セーブ、防御率1.93、56奪三振、WHIP0.94のフル回転。ワールドシリーズ制覇にも大きく貢献した。今回は、そんなドジャースのブルペン陣の大黒柱トライネンの魅力に迫る。

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■抑え投手としてサイ・ヤング賞候補にも

2011年、全体226位でアスレチックスに指名されてプロ入りを果たしたトライネン。メジャー登板がないまま2013年にナショナルズにトレードされると、2014年にデビュー。以降は主に中継ぎとして活躍。2015年60試合、2016年73試合とフル回転の活躍をみせ、2017年シーズンインからは抑えを任されたものの、前年までの活躍は鳴りを潜めシーズン中盤までで防御率5.73と絶不調に陥ると、夏場に再びアスレチックスにトレードされるかたちとなる。

トレード後は一転、前年までの輝きを取り戻し35試合登板、3勝4敗、防御率2.13、奪三振42、WHIP1.16の成績で再びクローザーを務めることとなった。翌年の2018年には成績が向上。68試合登板、9勝2敗38セーブ、防御率0.78、奪三振100、WHIP0.83で抑えながらサイ・ヤング賞の候補となり13ポイントを獲得した。また、年俸も活躍と共に上昇。初の調停となった2018年に215万ドル、2019年に640万ドルと徐々に自身の価値を高めていった。

■進化を続けてド軍の信頼勝ち取る

そして2020年、ドジャースと1年1000万ドルで契約を結ぶとコロナ禍での短縮シーズンながらチーム内最多の27試合に登板、ワールドシリーズ優勝に貢献すると翌年から2年1750万ドルで再契約。2023年も全休ながらオプションで残留したことを考えても、ドジャースにとってトライネンが貴重なリリーバーとして長期的なプランを持っていたということなのだろう。

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トライネン最大の武器は、なんといっても鋭く曲がるスライダー。キャリア初期はフォーシームと速いシンカーを武器にピッチングの組み立てを行っていたが、ドジャース移籍以降は曲がり幅の大きいスイーパーを多投するようになっている。数値面を見てもこの変化は明白。2021年から3シーズン連続で10以上のK/9(奪三振率)を維持しており、より多くの三振を奪うスタイルに進化しているのだ。

ワールドシリーズでは、優勝が決まった第5戦にてマウンドへ向かったロバーツ監督の激励に応える形で、回跨ぎで無失点の好投をみせたことも記憶に新しいトライネン。来年は37歳とすでにベテランの域に達してはいるが、2年2200万ドルの契約延長はチームからの期待の表れだ。連覇を目指すドジャースのブルペンを支えるリーダーとして、来季以降も活躍が期待される。

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