MLB公式の分析システム『スタットキャスト』が導入されて、今季で11年目を迎える。
近年の外野手は、捕球までの走行距離やルート効率が算出され、印象のみに左右されない正しい評価を受けられるようになった。打球には「捕球確率」が設定され、もっとも低い0%から25%のものを「5 Star(5つ星)」、26%から50%を「4 Star(4つ星)」と言った具合に5つの難易度に分類される。
これまで、もっとも多くの「5つ星」キャッチを成功させてきた外野手は誰なのか。2016年以降の公式データを掘り下げてみる。
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■昨季トップはカブスの有望株「PCA」
MLB公式のデータページ『Baseball Savant』によると、2024年に「捕球確率0%から25%」の打球をもっとも多くキャッチした外野手は、カブスのピート・クロウ=アームストロング外野手(以下PCA)の合計7回。
現在22歳のPCAは、2023年にカブスでメジャー初昇格を果たすと、昨季は117試合に中堅手として出場。OAA(Outs Above Average)+14は中堅手部門でナ・リーグ4位タイで、平均よりどれだけアウトを奪ったかを示す指標で優れた結果を残した。
9月10日(同11日)のドジャース戦では、大谷翔平投手らが放った右中間の大飛球を次々とスーパーキャッチし、日本でも話題を呼んだ有望株だ。
■キアマイアーは「4つ星」キャッチも歴代トップに
2016年の計測以降で「5 Star(5つ星)」キャッチの回数トップに立つのが、昨季現役引退したケビン・キアマイアー外野手の計18回。企図数100回以上の選手で成功率「17.6%」は堂々のトップ。捕球確率26%から50%の「4 Star(4つ星)」においても、計52回を記録しこちらも全外野手の1位に立っている。
キアマイアーは、メジャーでもトップクラスの俊足を武器に2015年、16年、19年、23年とゴールドグラブ賞を獲得。引退年となった昨季も「5 Star(5つ星)」キャッチを成功させるなど、晩年まで卓越した守備力を見せ続けた。
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