【MLB】ドジャースで有終の美、GG賞4回の名手キアマイアーは引退年もエリート級 外野手の“打球反応”を示す指標「ジャンプ」とは

 

H.Ariga/SPREAD編集部

【MLB】ドジャースで有終の美、GG賞4回の名手キアマイアーは引退年もエリート級 外野手の“打球反応”を示す指標「ジャンプ」とは
今季引退した名手ケビン・キアマイアー(C)Getty Images

2024年のメジャーリーグは、ナ・リーグ西地区の名門ドジャースが4年ぶり8回目の世界一を奪還して幕を閉じた。

MLB公式の分析システム『スタットキャスト』が導入されて、今季で10年目。新たな指標が年々追加され、選手のパフォーマンスがより鮮明に掘り下げられる時代となった。外野手は打球反応に関する能力が分析され、走行距離や、捕球までのルート効率が算出されている。

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■「Outfielder Jump」は3つの要素で構成される

MLB公式のデータページ『Baseball Savant』では、外野手の打球反応を評価するための「Outfielder Jump(ジャンプ)」と呼ばれる指標がある。「Jump」は、投手がリリースした瞬間から3秒間の動きを計測したもので、0秒から1.5秒を「Reaction(リアクション)」、1.5秒から3秒までを「Burst(バースト)」、3秒間のうち正しい方向へ進んだ距離を「Route(ルート)」と定義。3つの要素で構成されている。なお、捕球確率が90%以上の簡単なプレーは含まれていない。

最初の打球反応を示す「Reaction」の数字が今季もっとも大きかったのが、「4.6」をマークしたジェイコブ・ヤング(ナショナルズ)。打球速度など、同条件下のプレーと比較すると平均より4.6フィート距離を稼いだという結果に。2位のセダン・ラファエラ(レッドソックス)の「2.5」を大きく引き離すダントツのトップで、メジャー上位3%に入る俊足を遺憾なく発揮したかたちだ。

その後の加速を評価する「Burst(バースト)」では、22歳のピート・クロウ=アームストロングカブス)が「2.6」でトップに。2位がホセ・シリ(レイズ)の「2.3」、3位が今季で引退した名手ケビン・キアマイアードジャース)の「2.2」となっている。

走行距離の効率を示す「Route(ルート)」においては、今季中堅手でゴールドグラブを受賞したブレントン・ドイルロッキーズ)の「0.8」がトップ。2位にテオスカー・ヘルナンデス(ドジャース)とアンソニー・サンタンダー(オリオールズよりFA)が「0.7」をマークし並んでいる。一方で、「Reaction」トップのヤングは「-2.6」でメジャーワーストを記録しており、高いポテンシャルを持ちながら、打球判断がもっとも悪いという評価が下っている。

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■キアマイアーは「Jump」3要素でプラス評価

これら3つの要素を総合して算出された「Jump」では、ヤングが「3.8」で今季メジャー全外野手1位に。効率は悪いものの、優れたスピードで走行距離を稼ぎトップに立った。2位はドールトン・バーショ(ブルージェイズ)の「3.6」、3位には、今季引退したキアマイアーが「3.4」で健在ぶりを見せた。

34歳のキアマイアーは今季112試合プレーし、ナ・リーグの中堅手4位となるOAA「+12」をマーク。平均よりどれだけ多くアウトを奪ったかを示す指標でも優秀だった。ゴールドグラブ賞4度を誇る名手は、今季の「Jump」でも前述した3要素全てプラス評価で、引退するには惜しいほどの高いパフォーマンスを発揮していた。

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