有資格1年目でのアメリカ野球殿堂入りが確実視されているイチロー氏。史上2人目、野手としては初となる満票での選出となるかに大きな注目が集まっている。
そんなイチロー氏がMLBのキャリアで最も多くの時間を過ごしたのが日本のファンにも馴染み深いマリナーズ。1977年創設と比較的歴史の浅い球団ではあるが、多くの野球殿堂入り選手が存在する。
この記事では、マリナーズに在籍経験のある野球殿堂入り選手たちと、その選出年・得票率・現役時代のハイライト動画などをまとめて紹介する。※監督としてベテランズ委員会選出で殿堂入りを果たしたディック・ウィリアムズ氏は除く。
目次
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■かつての同僚も一足先にクーパーズタウンへ
エイドリアン・ベルトレ
2024年選出/得票率95.1%
ドミニカ選手初の通算3000本安打を達成した、エイドリアン・ベルトレ氏。ドジャースでキャリアをスタートさせ、マリナーズには2005年から2009年までの5年在籍しイチロー氏ともチームメイトとして共闘した。打撃に注目が集まりがちだが、三塁手としてゴールドグラブ賞を5回、プラチナゴールドグラブ賞2回など守備面での評価も高く、過去にはイチロー氏もその守備力を評価している。8年という最も長い在籍期間に加え、そのキャリアを終えたチームであるレンジャーズでは、2019年には着用した29番が永久欠番に。2024年に有資格1年目に95.1%という高い得票率で野球殿堂入りを果たした。
エドガー・マルティネス
2019年選出/得票率85.4%
キャリア18シーズンをマリナーズ一筋で過ごしたフランチャイズプレイヤー、エドガー・マルティネス氏。主に指名打者として活躍したこともあり、その実績からMLB最優秀指名打者賞が2004年より「エドガー・マルティネス賞」に改称された。出塁率や打点など、数多くの球団記録を保持する氏は、2001年から引退する2004年までの4年間はイチロー氏の同僚として共闘。2010年に殿堂入り資格を得たが、指名打者として守備の貢献がなかったことから得票率が伸びず殿堂入りが危ぶまれていたが、2019年の資格最終年に85.4%で見事殿堂入りを果たした。
ケン・グリフィー・ジュニア
2016年選出/得票率99.3%
デビューからの11シーズンと引退直前の2シーズンをマリナーズで過ごしたチームのレジェンド、ケン・グリフィー・ジュニア氏。イチロー氏の憧れの存在として語られることも多かった氏だが、2009年、2010年の引退間際にマリナーズに戻ってきた際は同僚として仲睦まじい姿を見せていた。通算630本塁打、4度の本塁打王、ゴールドグラブ賞10回など球史に名を刻んだ5ツールプレイヤーは、2016年に有資格者1年目で当時の最高得票率で殿堂入りを果たした。
ランディ・ジョンソン
2015年選出/得票率97.3%
歴代2位のサイ・ヤング賞5回、歴代2位となる通算4875奪三振にキャリア通算303勝という素晴らしい実績を残した90年~00年代を代表する大投手ランディ・ジョンソン氏。208センチという長身から放たれるフォーシームと、特徴的なスライダーで三振の山を築いた“ドクターK”は、キャリア22年の間に6球団に在籍。マリナーズには1989年途中から1998年途中まで在籍しノーヒットノーラン達成、サイ・ヤング賞受賞など輝かし成績でエースとしてチームを支えた。2015年に97.3%という圧倒的な得票率で、有資格者1年目での殿堂入り。
■史上最高のリードオフマンもマリナーズに在籍
リッキー・ヘンダーソン
2009年選出/得票率94.8%
シーズン130盗塁、キャリア通算1406盗塁という不滅の大記録を打ち立てた、史上最高のリードオフマンとして名高いリッキー・ヘンダーソン氏。左投げ右打ちという珍しいスタイルの外野手として25シーズン、通算9球団を渡り歩いた。在籍時の背番号24が永久欠番になるなど、アスレチックスでの活躍が印象的な氏だが、マリナーズには2000年シーズン途中にメッツから移籍し92試合出場で31盗塁をマーク。2001年はパドレスに移籍したため、イチロー氏とは惜しくも在籍が重ならなかった。2009年に有資格1年目にして94.8%の高い得票率で殿堂入りを果たした。
リッチ・ゴセージ
2008年選出/得票率85.8%
最速103マイル(約165キロ)という速球を武器にした投球でセーブを重ね1970年代~80年代を代表するクローザーとして名高いリッチ・ゴセージ氏。キャリア終盤にダイエー(現ソフトバンク)に在籍した経験もあるなど、数々の球団を渡り歩いたゴセージ氏だが、実はマリナーズ在籍は引退した1994年の1年だけ。2000年に殿堂入りの資格を取得したものの、得票率が伸びず、悲願の殿堂入りを果たしたのは2008年。ギリギリの9年目だった。
ゲイロード・ペリー
1991年選出/得票率77.2%
通算314勝に加え、サイ・ヤング賞2回、最多勝利3回、ノーヒットノーラン1回という偉大な成績を残した大投手ゲイロード・ペリー氏。しかしながら、やすりで削る、ワセリンを塗るなどボールに小細工をして投げることで大きな変化をもたらす反則投球「スピットボール」の使い手としても知られている。キャリア22年のうちマリナーズに在籍したのはキャリア最晩年の82年~83年途中。1983年にロイヤルズで引退後、1991年に77.2%の得票率で殿堂入りを果たした。
このリストにイチロー氏がラインナップされるのも時間の問題。果たして野手として初の満票選出が実現するのか。発表に期待したい。
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