2024年シーズン、ナ・リーグ東地区を制したフィリーズ。ドジャースに次ぐ勝率2位で地区シリーズでは因縁のライバルであるメッツと対戦したものの、ワイルドカードを勝ち上がった“ミラクルメッツ”の勢いを止められず。1勝3敗で惜しくも敗戦となってしまった。
最強ドジャースに勝るとも劣らない戦力を整えており、世界一候補ともなっていたフィリーズ。今季も名実ともにスーパースター軍団が揃うが、キャッチャーのJ.T.リアルミュート捕手がシーズン終了後にFAとなるほか、チームの主軸ブライス・ハーパー内野手がベテランとなりつつある現状を考えれば、今年こそはなんとか王座を奪還したいところだろう。そんなチームのエースとして大車輪の活躍を期待されるのがザック・ウィーラー投手だ。
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■大型契約も大成功、今季も活躍必至
現役最高投手の一人にもあげられることが多いウィーラー。5年契約の最終年となった昨シーズンは32試合に登板、200イニングを投げ、16勝7敗、防御率2.57、奪三振224、WHIP0.96というサイヤング級の成績を残したものの、奇跡的なバウンスバックを遂げ投手三冠を達成したブレーブスのクリス・セール投手に一歩及ばず。サイ・ヤング投票では2位だった。
2024年3月には、新たに3年1億2600万ドル(約190億円)で2025年以降の契約延長を締結済み。平均年俸4200万ドル(約63億円)は、投手としてはメジャー最高年俸。これを上回るのは大谷翔平投手(ドジャース)とフアン・ソト外野手(メッツ)のみだ。
メッツ在籍時代にはトミー・ジョン手術を経験し、丸2年稼働できずパフォーマンスが向上しなかった時期もあったが見事に復活。フィリーズ移籍後は、2020年の短縮シーズン以外は全て2桁勝利を記録している。5年1億8000万ドルの超大型契約を大活躍でまっとうし、さらに契約を延長するというパターンは近年では珍しく、フィリーズにとって大成功といえるFA獲得選手になった。
ザック・ウィーラーの2024年ハイライト
2025年シーズンも先発1番手のエースとして活躍が期待されるウィーラー。米データサイト『Fangraphs』の成績予想システムSteamerが算出したデータによると、今シーズンは32試合登板、199回を投げ、13勝9敗、防御率3.32、WHIP1.12という予想になっている。
昨シーズンよりは少し成績が下がる予想だが、35歳で約200イニングと2桁勝利は固いと予想されるあたりは、さすがウィーラーといったところだろう。
フィリーズにとってみれば、このウィーラーが在籍している間に確実にワールドチャンピオンに輝きたいはず。また意外なことに、ウィーラーは毎年圧倒的な成績を残しながらもサイ・ヤング賞を獲得したことがない。チームの優勝と悲願のサイヤング獲得に向け、現役最強右腕がどのようなシーズンを送るのかに注目したい。
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