今季でメジャー10年目(実働9年目)を迎えるタイガースの前田健太投手。2016年のドジャース入りから安定した成績を残してきた36歳のベテランだが、2024年シーズンは新天地・タイガースで自身ワーストの1年だった。
2年2400万ドルで加入した前田は若手投手が多いタイガースの中で、ローテの中心として期待されていたが、思った成績を残せなかった。
成績予想システムによる評価なども交えながら、ベテラン右腕にとって正念場となる今シーズンを占っていく。
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■指標悪化の24年から復活なるか
2022年をトミージョン手術の影響で全休した後、2023年は万全の成績とはいかなかったものの一定のバウンスバックがみられたことから、2年契約に踏み切ったタイガース。しかし、昨年の前田は誤算だったといえるだろう。アメリカのデータサイト『Fangraphs』の予想ロースターによると2025年は先発5枠から漏れ、ロングリリーフとしての立ち位置とされている。
昨シーズンの前田は29試合に登板、うち17先発で3勝7敗、防御率6.09、WHIP1.38と打ち込まれることが多かった。安定して6回まで投げるスターターという印象の前田だったが、昨シーズンに関しては試合序盤で大炎上することも多かった。特に前半戦は16試合に登板してクオリティースタートを達成した試合がわずか2試合にとどまったのだ。
【動画】前田健太24年シーズンハイライト
指標をみても昨年はパッとしなかった。MLB公式のデータサイト『Baseball savant』の球種別の被打率をみてみると、4シーム.359、スライダー.310と軸となる球種の被打率が非常に高いことがわかる。
制球力の指標となるBB%は6.4と平均以上の数値を残したものの、2023年から大きく下がったのが空振りを奪えたかどうか。K%が27.3%から19.8%に大きく数値を落としたところをみても、やはり空振りを奪う決め球に苦労していたのだろう。
■米専門サイトはリリーフ起用を予想
前田健太のMLB年度別成績推移
米データサイト『Fangraphs』の成績予想システムSteamerによると、2025年の前田は57試合登板、3勝3敗、防御率3.84、WHIP1.18と昨年よりは持ち直すと予想している。これは、昨シーズン終盤リリーフに回った際に大きく成績を向上させたことが要因として考えられ、主にリリーフとして登板することが想定された数値なのだろう。
しかし、ドジャースから移籍したジャック・フラハティ投手、ガーディアンズから移籍したアレックス・カッブ投手に次ぐ投手陣3番目の高サラリーである前田を、ロングマンとしてブルペン待機させるというのもタイガースとしては大きな問題なはず。
年齢や残り1年の契約を考えれば、昨年のようなパフォーマンスだとシーズン中にDFA候補となってもおかしくない状況。まずはオープン戦等で結果を残し、5番目のローテ枠を奪える位置につけたいところだ。
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