【MLB】ドジャース独走阻止のキーマン、CY賞右腕バーンズが誇る「打者を翻弄した証」 “ピッチングニンジャ”考案の指標「ソード」とは?

 

H.Ariga/SPREAD編集部

【MLB】ドジャース独走阻止のキーマン、CY賞右腕バーンズが誇る「打者を翻弄した証」 “ピッチングニンジャ”考案の指標「ソード」とは?
ダイヤモンドバックスに加入したコービン・バーンズ(C)ロイター

球団史上初の2年連続世界一を目指すドジャースは14日(日本時間15日)、野手組が合流し全体練習が開始された。オフシーズンに大型補強を敢行し、他球団を寄せ付けない布陣で再び頂点を目指す。

米データサイト『ベースボール・プロスペクタス』の予測システム「PECOTA(ペコタ)」の順位予想では、ドジャースがナ・リーグ西地区のダントツトップ。2位はダイヤモンドバックスと予想された。ここでは、ドジャース独走阻止のカギを握るダイヤモンドバックスのエース候補コービン・バーンズ投手が誇る「Sword(ソード)」という一風変わった指標を取り上げる。

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■多彩な変化球で打者を幻惑

メジャー8年目を迎えるバーンズは、2016年のドラフト4巡目全体111位でブルワーズに入団。パンデミックによる短縮シーズン20年に頭角を現すと、翌21年には28先発で11勝5敗、防御率2.43の好成績を残し、ナ・リーグのサイ・ヤング賞を獲得した。

現在4年連続二桁勝利を継続中で、昨季も32先発で15勝9敗、防御率2.92と抜群の安定感を誇る。MLB公式のデータページ『Baseball Savant』によると、昨季は投球の45.0%をカットボールが占め、21.5%がカーブ、12.8%がスライダー、チェンジアップ、シンカーも駆使して打者を翻弄した。23年からはフォーシームの記録なし。豊富なクセ球でゴロを打たせるのを得意としている。

■「不格好なスイング」を数えた指標

制球力にも優れるバーンズは、昨季“打者を翻弄した証”である「ソード」がメジャー最多の52回を記録。「ソード」とは、投球分析家の“ピッチングニンジャ”ことロブ・フリードマン氏によって考案された指標で、投手が打者を完全に欺き不格好なスイングを強いた空振りのことを指す。

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エンタメ要素の強い指標ではあるが、いくつかの定義があり、投手の総合的な能力も見極められる。バーンズは球種にフォーシームがなく、右へ左へ多彩な変化球を投じ打者を翻弄するのが特徴だ。昨季の被ハードヒット率は31.6%で、メジャー上位5%とエリートクラス。強打者揃いのドジャース打線を相手に、巧みな投球術を見せてくれることだろう。

Sword

投手が打者を幻惑し、非常に不格好なスイングを引き出したときに記録される。ロブ・フリードマン氏によって広められた用語で、ファウルチップ以外の空振りであること、バットがホームプレートの前面を通過していること、バットの先端がホームプレート前面から5インチ(約12.7センチ)前方のラインを超えて振り切っていない中途半端なもの、スイングスピードが下位10%以内であることなどが条件となっている。ややエンタメ寄りの指標。

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