卓球のITTFワールドツアー・カタールオープンは3月8日、女子シングルス決勝が行われ日本の伊藤美誠選手が中国の陳夢選手と対戦した。
世界ランク3位の伊藤選手は同1位の陳夢選手へ果敢に挑んだが、ゲームカウント1-4で敗れワールドツアー2大会連続優勝を逃した。
これで2人のシングルス対戦成績は伊藤選手から見て0勝4敗になった。
伊藤美誠は好スタートも陳夢の逆襲を止められず
準決勝でリオ五輪金メダルの丁寧選手(中国)に完勝した伊藤選手。その余勢を駆って出陣した決勝では、第1ゲームで7連続ポイントの好スタート。11-3で伊藤選手が先取した。
このまま駆け抜けたい伊藤選手。だが第2ゲームから陳夢選手は伊藤選手のバック側を攻めて主導権を握る。第2ゲームを落とすと第3ゲームも陳夢選手のペースで進む。伊藤選手も一時追いつく粘りを見せたが最後は逃げ切られる。
伊藤選手は陳夢選手に先手、先手で攻められる苦しい展開が続く。リードした第5ゲームでも追いつかれ、流れを変えることができないまま敗れた。
🇨🇳#陳夢 が 🇯🇵#伊藤美誠 に勝利の瞬間❗️ https://t.co/zcTzVlvIv4
— 国際卓球連盟 (@ITTFJapan) March 8, 2020
優勝も反省と課題を口にする陳夢
陳夢選手は試合後にITTF(国際卓球連盟)のインタビューに答え、反省点として「試合への入りの遅さ」を挙げた。
「2ゲームめ以降の集中力と比べると、まだまだ大きな差があります。最初のゲームはナーバスになり、十分にリラックスできてないと感じます」
第1ゲームでペースが上がらないことは想定していたが、もっとレシーブに集中したかったと陳夢選手。丁寧選手を圧倒した伊藤選手のサーブに対し、受けに回りすぎてしまったと振り返る。
「テンポを遅くして、彼女のサーブの回転にもっと注意を払いたかったです。しかし、レシーブに集中しすぎて、セカンドリターンを見失ってしまいました。その結果、第1ゲームはただリアクションしているだけで、準備ができてないような状態になってしまいました」
「ゲームを読む能力が素晴らしい」と伊藤選手を讃えた陳夢選手。決勝や準決勝で何度中国勢にタイトル獲得を阻まれても、恐れず立ち向かい続ける姿勢も称賛した。
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