今週は中山競馬場でGI・皐月賞(芝2000m)が行われる。
2歳王者ダノンザキッドvs無敗馬エフフォーリアの対決に注目が集まる今年。今週末の中山は雲行きが怪しく、予報通りなら雨の影響を受ける馬場が想定される。「馬場読み」も重要なファクターとなりそうだ。
データで紐解く今年の皐月賞。東京競馬場で施行された2011年を除き、過去9年のデータ分析から浮かび上がったキーワードをご覧いただきたい。
1.ダノンザキッドの「0%データ」と「100%データ」、どちらを取るか
2.エフフォーリアの「0%データ」と「100%データ」、どちらを取るか
3.データが導く2021皐月賞の穴馬候補は
◆【皐月賞/追い切りジャッジ】エフフォーリアは「B」評価、万全とまでは言い切れない
■ダノンザキッドの「0%データ」と「100%データ」、どちらを取るか
2歳王者の称号を引っ提げて三冠初戦を迎えるダノンザキッド。
同じコースのホープフルSを勝利と適性は文句なし。前哨戦をひと叩きされ臨む今回は死角なしにも思えるが……気になるデータを発見してしまった。
・2歳GI勝利かつ年明け初戦2着以下【0-0-0-6】
・安田隆行厩舎の3歳牡馬クラシック成績【0-0-0-7】
ロードカナロアに代表されるように、短距離馬の育成に定評がある安田隆行厩舎。その一方でクラシック戦線の良績は乏しく、ノウハウの面でやや不安を覚えてしまう。
その一方で、ダノンザキッドにはこんなデータも。
・稍重-重成績【1-0-0-0】
・川田将雅×中山芝2000m重賞成績【8-3-2-13】
ダノンザキッドの初陣は稍重。宝塚記念当日のレースだったが、当時の馬場は「稍重」の表現すら生ぬるいような極悪馬場。クロノジェネシスが6馬身差の圧勝を収めた特殊条件下での一戦を楽勝した事実は見逃せない。1戦1勝、勝率は100%だ。
また、川田将雅は直近の騎乗機会に限定したとき、弥生賞ダノンプレミアム→皐月賞ヴェロックス→ホープフルSダノンザキッド→弥生賞ダノンザキッドと4戦連続馬券圏内。大阪杯をレイパパレで制していたように芝2000m重賞において抜群の信頼度を誇る。馬場適性とトップジョッキーの腕を味方にデータを覆すシーンに期待したいところだ。
■エフフォーリアの「0%データ」と「100%データ」、どちらを取るか
デビューから無傷の3連勝でクラシック初戦に駒を進めてきたエフフォーリア。
若武者・横山武史を背に挑む大舞台。底知れぬポテンシャルは大きな武器と言えるが、まずはこちらのデータを取り上げたい。
・共同通信杯を上がり3F33秒前半以内で勝利【2-0-1-0】
ゴールドシップ、イスラボニータ、ダノンキングリーがこれに該当し馬券圏内を確保。馬券内率に換算すると100%だ。
続いてはこちらのデータ。
・横山武史のGI成績【0-0-0-10】
・鹿戸厩舎の2-3歳牡馬GI成績【0-0-0-4】
ダノンザキッドと同じく「人」にスポットを当てたとき、少しばかりの不安がよぎってしまう。コーナー4つの小回りコース、多頭数で施行される皐月賞は状況次第で「おしくらまんじゅう」が起こりうるシチュエーション。人気を背負うとなれば当然厳しいマークは受けるだろうし、この馬自身フルゲートかつ淀みのない展開の経験値を持たない点は気がかりだ。