シアトル・マリナーズの菊池雄星投手が29日(日本時間30日)、敵地でのヒューストン・アストロズ戦に今季5度目の先発登板。7回を投げ、1安打無失点2四球7奪三振という快投で、今季初勝利(1敗)を挙げた。1-0の勝利に貢献し、チームの連敗を「4」で止めた。
【ハイライト動画】菊池雄星、”イメチェン”で今季初勝利 大記録に迫る圧倒的なピッチング
■ノーヒッターは逃すも、圧巻の投球で初勝利
7回1死までノーヒッター。コレアに右中間二塁打され、夢は破れたが、大記録に迫る圧倒的なピッチングだった。
過去6度対戦し、0勝2敗と苦手にしていた相手だったが、1回1死一塁の場面をカットボールで狙い通りの併殺に打ち取ると、リズムに乗った。その後は、1~8番まで右打者をそろえるリーグ屈指の強力打線を完璧に封じた。
3回には際どいコースをボールと判定されて四球を与えたが、狙ったコースに制球されており、安定感のあるピッチングが崩れることはなかった。6回を3者連続三振に切って取ると、7回も先頭打者を三振に仕留め、圧巻の4者連続三振をマーク。次打者の3番コレアに初安打となる二塁打を許し、日本人投手では野茂英雄(2度)、岩隈久志に次ぐノーヒッターとはならなかったものの、7回95球(ストライクは61球)を投げ切り、待望の今季初勝利を手に入れた。
■威力抜群のカットボール監督も絶賛
最速96マイル(155キロ)の直球にカットボール、スライダー、チェンジアップを駆使し、スコアボードに0を並べた菊池だが、特に冴えたのがカットボールだ。
試合後、オンライン会見に臨んだ菊池も「カッターはファウルを打たせられたし、カウントを作る場面、三振を取る場面、それぞれ良い高さに投げ分けられた」と話すと、サービス監督も「良いカットボールを持っていた」とコメントするなど、カットボールが効いていたことを明かした。
また、「右打者の内角にカットで攻め込み、チェンジアップとスライダーは外角へという形がうまく行った」と、本人が振り返ったように配球も絶妙だった。
■技巧派をイメージさせる投球
カットボールやスライダーなどの切れ味が鋭かったことは間違いないが、何より好投の要因は、安定した制球力だろう。
力で押すだけではなく、肩の力を抜いて、打たせて取る技巧派のようなピッチングを披露。全21アウト中、内野ゴロが11(1併殺を含む)、外野フライが2、三振7という内容に、SNS上でも「西武時代のイメージとは少し違った」という声も聞かれた。
折しも、チームはエースのマルコ・ゴンザレスが負傷者リスト入りという緊急事態に直面。菊池は「投手陣全員がレベルアップする必要がある。マルコが帰ってくるまで、1イニングでも、1アウトでも多く投げられるように頑張りたい」とコメントしている。
エースの穴を埋めるべく、新たな投球スタイルを手にしたメジャー3年目の左腕が大きな1歩を踏み出した。
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文・SPREAD編集部