【サッカー】イニエスタ、神戸でキャリアを終える覚悟 アジアNo.1クラブへの冒険は続く

2年の契約延長に合意したヴィッセル神戸・イニエスタ(C) Getty Images

J1・ヴィッセル神戸は11日、MFアンドレス・イニエスタと23年まで2年の契約延長に合意したと発表した。この日が37歳の誕生日だったイニエスタは、この契約延長により年齢的にも神戸で現役生活を終える可能性が高くなった。なお、イニエスタと神戸の三木谷浩史会長が登壇した会見の模様は、クラブ公式のYouTubeチャンネルで生配信された。

◆イニエスタ「第2の故郷で語り継がれるプレーを」 契約延長会見の一問一答

■ツイッターで「素晴らしい日」と喜ぶ

神戸は10日、クラブの公式サイトで「アンドレス・イニエスタに関する重要な記者会見」を11日の午後2時から行うことを告知した。そのため、SNSでは神戸のファン・サポーターを中心に「引退発表か」と悲嘆にくれる声があがっていたが、実際は良い意味で予想を裏切る「2年の契約延長」という発表だったため、一転して歓喜に包まれた。また、イニエスタ本人も自身のツイッターを更新し、「Un gran dia!(素晴らしい日)」と契約延長が締結されたことを喜んだ。

もっとも、11日付の一部スポーツ紙が「イニエスタ契約延長へ」との記事を掲載していたため、会見にサプライズ感はなく、ジャーナリストらも「9日のマリノス戦を見たら、そりゃするでしょ」とツイートするなど、手術明けの復帰戦にもかかわらず、相変わらず別格のプレーを見せたイニエスタの契約延長を当然のことと受け止める向きも少なくなかった。

いずれにせよ、世界的な司令塔が神戸に残ることを決断した意義は大きい。まずは、正確なボールコントロール、ボールを奪われないキープ力、視野の広さ、高い戦術眼……。語り尽くせないほどハイレベルな技術でチームに多くの勝利をもたらすことは間違いない。

■イニエスタ効果でJリーグの価値向上

また、三木谷会長も会見の中で繰り返したイニエスタの「人間性」が、チームメートに与える好影響も見逃せない。真摯に練習に取り組む姿勢は若手選手の見本となっているし、持ち前のリーダーシップはチームをまとめることに貢献している。さらに、裏方のスタッフらにも配慮する姿などは、ピッチ内外で神戸というクラブをさらなる高みへ導く力になるだろう。

イニエスタ効果は、神戸だけではなく日本サッカー界全体にも及ぶ。三木谷会長が「イニエスタが日本でプレーしていることで、海外の若手有望選手がJリーグへやってくるようになった」と話したように、以前は格下・日本への移籍をためらう向きは、欧州の選手を中心に確かにあった。しかし今では「イニエスタほどの選手がプレーしているリーグなら行く価値がある」という変化が起きており、Jリーグの世界的なステータスが上がっている。

イニエスタがバルセロナを退団し、3年契約で神戸に加入したのが18年5月。当時は、年俸2500万ユーロ(約32億5000万円)という数字が話題を呼んだが、今回の新契約に関しては、三木谷会長が「イニエスタ側が歩み寄ってくれた」と明かしたように、コロナ禍で悪化している経済環境を配慮し、ダウンを受け入れたようだ。

■バルササポからは落胆の声も

そして、イニエスタにとって、お金は大した問題ではないのかもしれない。

今回の会見では「プロジェクト」という言葉が頻繁に出た。「神戸をアジアでナンバー1のクラブにする」という三木谷会長が提示したそのプロジェクトに魅力を感じたからこそ、日本にやってきたのであり、「ここからまた2年、このプロジェクトにかかわり続けることにワクワクしています」と、少年のように語ったイニエスタ。純粋なハートを持つマエストロの冒険は、まだ終わらないようだ。

もっとも、バルセロナへの帰還を待望していた母国のサポーターからは、SNSで落胆の声も上がった。特にイニエスタとともにバルサの中盤に君臨し、一時代を築いた盟友・シャビ・エルナンデスも現在監督を務めているアル・サッド(カタール)との契約延長が見込まれるとあって、「二人ともいつ戻ってくるの?」と、近い将来の監督候補である彼らにラブコールを送るバルササポーターもいた。

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文・SPREAD編集部


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