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【MLB】「大人になった」ダルビッシュ有、高地で光った緩急の妙 緊急事態に慌てず騒がずエースの仕事

【MLB】「大人になった」ダルビッシュ有、高地で光った緩急の妙 緊急事態に慌てず騒がずエースの仕事
敵地でのロッキーズ戦で好投したダルビッシュ有(2021年5月12日)(C)Getty Images

サンディエゴ・パドレスダルビッシュ有投手は12日(日本時間13日)、敵地で行われたコロラド・ロッキーズとのダブルヘッダー第1試合(7イニング制)に先発。4回を投げて2安打1失点、2奪三振、2四球で勝敗はつかなかった。防御率は2.08。試合は5-3でパドレスが制した。

【動画】スライダー、カーブも交えた巧みな緩急でエースの仕事…ダルビッシュ有、ロッキーズ戦での好投ハイライト

■「鬼門」クアーズ・フィールドで好投

高地(標高1マイル、約1609メートル)にあり、打球がよく飛ぶクアーズ・フィールドは投手にとって「鬼門」。だからこそ、ロサンゼルス・ドジャース在籍時の野茂英雄が1996年、打者有利とされる当地でノーヒッターを達成したことは、偉業として今も語り継がれているのだ。ダルビッシュもカブス時代に2試合登板しているが、10回3分の2を投げて11安打4四球9失点、0勝1敗、防御率7.59という成績に甘んじている。

しかし、この日はいつも通りの安定したピッチングを披露。初回2死二塁から4番ストーリーに92マイル(約148キロ)のツーシームを打たれて先制点こそ献上したものの、その後はスライダーやカットボールといった“曲がり球”をコーナーへ投げ分け、追加点を許さなかった。4回、左翼手が飛球を見失い(記録は二塁打)、2死二塁のピンチを迎えたときも、6番アダムスを69マイル(約111キロ)のスローカーブで投ゴロに打ち取り、ピンチを脱出した。

この試合は、ダブルヘッダーの1試合目で7イニング制。そのため、0-1と追いかける展開の5回表、2死一、二塁というチャンスに打順が回ってきたため、代打が送られて降板となった。この代打策が当たり、チームは同点に追いつくと、6回にはダルビッシュの“専属捕手”カラティニの劇的な決勝満塁弾が飛び出して勝利を飾った。

■チームはコロナでメンバー入れ替え

4回で76球という余力を残しての交代となったダルビッシュ。試合後の会見では「体に切れがあまりなかったけど、それでも4回で1失点だったので大人になったなと思う」と、自らの投球を評価した。

また、自身のブログも更新し、「コロラドなので変化球の曲がり方が普段とかなり変わるため、なかなか難しかったですね。今はカッター、スライダーの2球種で緩急もつけられるようになったので何とかなった感じです」と高地で投げる難しさを語っていたが、今季最少の2奪三振ながら打たせて取るピッチングでチームの勝利に貢献した。

パドレスは試合前、新型コロナでホズマーとマイヤーズが負傷者リスト入りしたと発表した。前日のタティスJr、プロファー、マテオも含め、2日間で5人の野手がコロナで負傷者リスト入りするという緊急事態。当然、メンバーの大幅入れ替えも行われたが、ダルビッシュは動揺することなく、「このメンバーでも勝てるということをみんなが思っていたし、みんなで勝ち取った試合」とチーム一丸での勝利を喜ぶ姿には、やるべき仕事を果たしたエースの風格が漂っていた。

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文・SPREAD編集部