【東京五輪/男子ゴルフ】マスターズ覇者・松山英樹、米PGA予想は4位 優勝候補は24歳の日系米国人モリカワ

アジア人初のマスターズ 優勝を果たした松山英樹 (C)Getty Images

日本勢のメダルラッシュに沸く東京五輪。そんな中、表彰台が期待される男子ゴルフも、7月29日から埼玉県・霞ヶ関カンツリー倶楽部にて開幕を迎える。

16年リオ大会で、112年ぶりに正式競技へ採用されたゴルフ。前回はジカ熱の影響で、強豪選手が相次いで出場を辞退。日本からも男子は松山英樹らが出場せず、池田勇太と片山晋呉が参戦し、池田の21位タイが最高成績だった。

今回、日本からは松山英樹星野陸也が出場。マスターズチャンピオンと、国内賞金ランク1位の二人に、金メダルへの期待が集まる。

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■松山を支えるショット力で頂点を目指す

日本男子のエースは、何と言っても松山。今年4月、日本人初のマスターズ覇者となり、メジャーチャンピオンになってから初めての日本でのプレーが五輪の舞台となる。

松山の武器はショット力の高さ。米PGAツアーのスタッツで、ストローク・ゲインド・アプローチ・ザ・グリーン(パー3のティショット、及びパー4、パー5での2打目によるスコアへの貢献度)は、13-14年シーズンから毎年ベスト10をキープ(今季は15位)。第1打からグリーンに到達するすべてのショットの、スコアに対する貢献度を表すストローク・ゲインド・ティー・トゥー・グリーンは、昨季はツアー2位(今季は17位)の数字を記録するなど、正確なショットが松山のスコアを支えている。

今回の霞ヶ関カンツリー倶楽部は、通常の日本のトーナメント以上に、タフなセッティングが施されている様子。ラフはかなり長く、ボールが沈んでしまい、ラフからのショットには手を焼く可能性が高い。いかにフェアウェイをキープできるかが、スコアメークのポイント。松山の長所を活かせれば、チャンスを作る可能性は高い。

一方、松山の課題はパッティング。ストローク・ゲインド・パッティング(パットのスコア貢献率)は毎年数字が悪く、昨季は170位、今季もここまで180位と、グリーン上で天を仰ぐシーンが多く見受けられ、パッティングが勝敗を分けるカギとなりそうだ。

とはいえ、通常のトーナメントでは150名前後の出場者により争われるが、東京五輪では60名による戦いで、なおかつ、各国の最大人数は4名。最新の世界ランキングで松山は20位だが、それより上位に位置する選手は6名しかエントリーされておらず、ライバルが少ないのは好材料。米PGAツアー公式サイトのパワーランキング(優勝者予想)でも松山は4位にランクされており、期待の高さが表れている。

7月上旬に新型コロナウイルスに感染した影響で練習が不足し、約1カ月ぶりの実戦となるところは不安材料だが、アマチュア時代、霞ヶ関カンツリー倶楽部で行われた、アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権で優勝し、マスターズの出場権を獲得した思い出の地で、再度日本を沸かせる活躍を期待したい。

■メジャーで揉まれた経験を活かしたい星野

星野陸也もどこまで戦えるか見どころの一つ。今季(20-21年シーズン)の国内ツアーではすでに3勝をマークし、現在賞金ランク1位の25歳。6月の全米オープンでは自己ベストの26位タイに入り、着実に実力を挙げている若武者だ。

身長186センチで体重が76キロと細身の体ながら、ツアー屈指の飛ばし屋で、ドライビングディスタンスは300ヤード超えと、海外勢にも引けは取らない。国内を主戦場としながら、今年は全米プロゴルフ選手権全米オープン全英オープンと、3つの海外メジャーを経験し、高いレベルで揉まれた経験を活かすチャンスがやってきた。

短期間で渡米→帰国→渡英→帰国と、タフな日程で疲れが心配されるが、入念にコースをチェックし対策は万全。全選手のトップを切って、初日の7時30分にティーオフする星野のプレーにも期待したい。

■コリン・モリカワが優勝候補、韓国勢も侮れない

海外勢の優勝候補筆頭に挙げられるのは、米国のコリン・モリカワ。昨年の全米プロゴルフ選手権に続き、先日の全英オープンも初出場初優勝を果たし、早くもメジャー2勝目をマークした24歳。世界ランク3位は、今回の出場者の中で最上位に位置し、パワーランキングでも1位に選ばれている。

モリカワも松山と同様にツアー屈指のショットメーカーで、ストローク・ゲインド・アプローチ・ザ・グリーン、ストローク・ゲインド・ティー・トゥー・グリーンともにツアー1位の数字。一方、ストローク・ゲインド・パッティングは166位と、パッティングに課題を残しているが、全英オープンではパットが冴えわたって優勝にこぎつけるなど、調子を上げてきているので期待は大きい。

ツアー4勝で、世界ランク5位のザンダー・シャウフェレもチャンスの高い一人。祖父母が日本に在住し、親日家としても知られるシャウフェレは、今月5日に結婚したことを公表したばかり。また、台湾出身の母も日本で育っており、日本で活躍する姿を家族に届けたいところだ。

そのほか、ツアー14勝のジャスティン・トーマス(米国)や、メジャー4勝のローリー・マキロイ(北アイルランド)といった、米ツアーのトップランカーも、早くから五輪参戦を表明しており、彼らのプレーが日本で見られるのも楽しみの一つ。

ダークホースとして、韓国のイム・ソンジェキム・シウを挙げておきたい。韓国では五輪のメダル獲得で、成人男子に義務付けられている2年間の兵役が免除される特典があり、並々ならぬ意欲を持って参戦するはず。特にイムは、16、17年と日本ツアーを主戦場にし、優勝こそなかったものの、度々上位争いに加わった経験があり、日本での試合には慣れているので警戒が必要だ。

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試合情報

ゴルフ男子第1ラウンド
試合開始:日本時間7月29日(木)7:30ティーオフ
中継情報:NHK BS1(7:25) NHK BS1(13:00)

文・SPREAD編集部


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