■正捕手に求められるのは「考える習慣」
大城への“エール”を送った西山氏が、広島の正捕手としてゴールデングラブ賞とベストナインに初めて選出されたのは1992年。MLBのトレンドが日々報じられるようになり、日本の野球ファンにも少なからず影響を与える時代になった今、プロ野球の世界ではどのような「変化」が起きているのだろうか。
「監督やコーチが、捕手のリードに対して厳しい指導をしなくなりましたね。他球団の選手との交流が盛んになったことも相まって、相手打者を威嚇する際どいコースへの投球も減りました。いずれにおいても、軋轢を生まないようにしている印象を受けますね」。
技術面よりも、捕手を取り巻く環境の変化について言及した西山氏。首脳陣から正当な評価が受けられずとも、己を律し、成長の糧にしたという当時のエピソードも明かしてくれた。
「我々の時代は、リードについて何も教えてもらえませんでした。結果論だけで叱責するコーチもいたほどで、自ら根拠を示して正解を導き出すしかなかったです。考える習慣を身につけないと正捕手の座は掴めません。それは、現代でも同じことだと思いますよ」。
自主性を植え付けることができる指導者の存在が求められるのだと西山氏は強調し、いささかもどかしい想いを抱いているようにも見受けられた。
確かにセ・リーグの現状と照らし合わせれば、巨人の上を行くヤクルトには中村悠平、阪神には梅野隆太郎という“正捕手”がおり、3球団の現在地はもしかすると必然なのかもしれない。しかし、この先に控えるクライマックスシリーズは下克上の可能性も秘めている。短期決戦の行方を占ううえでは監督の采配と同様に、捕手の「考える力」も重要となってくるのは間違いないだろう。
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文・SPREAD編集部










