【ブンデスリーガ】堂安律はフライブルクでの持ち味を日本代表でも発揮するのか カタールW杯に抱く期待

(c)Getty Images

欧州各国リーグが開幕して2カ月以上が経過した。

11月にFIFAワールドカップ・カタール大会開催による中断期間を設ける異例のシーズンとあって、各国の上位クラブは週末に自国リーグ、ミッドウィークに欧州カップ戦を毎週のように戦う超過密日程が続いている。

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■現地紙MF部門の採点でも10位に

そんな中、日本人選手が9人在籍するドイツ・ブンデスリーガ1部では、今季から日本代表MF堂安律が加入したフライブルクも好調だ。ブンデスリーガでは一時首位に立つなど、ここまで5勝3分2敗。勝点18を積み上げ、首位に立つ伏兵ウニオン・ベルリンと勝点5差の3位につけている。並行して戦うUEFAヨーロッパリーグ(EL)でも開幕4連勝。早くもグループリーグ突破を決め、DFBポカール(ドイツ国内カップ)でも3回戦進出。全てのコンペティションで好成績を挙げている。

堂安自身もブンデス開幕戦からゴールを挙げると、チームの公式戦16試合(先発15試合)全てに出場し、4ゴール2アシスト。就任12年目のクリスティアン・シュトライヒ監督からの信頼も厚い。『キッカー』紙のMF部門の採点でも10位にランクインしている。

チーム好調の要因は、新戦力の活躍。空中戦の勝利数でリーグ最多を記録する1トップのオーストリア代表FWミヒャエル・グレゴリッチュの4得点を筆頭に、トップ下のガーナ代表MFダニエル・コフィ・キェレ、守備の要となったドイツ代表DFマティアス・ギンター、そして堂安が2得点ずつを挙げるなど、リーグ総得点14のうち10ゴールを新加入選手が記録している。

フライブルクは主に[4-2-3-1]のシステムを採用、堂安は2列目の右サイドでプレーする。右サイドからドリブルやワンツーを駆使して中央へとカットインし、得意の左足からシュートやラストパスを狙うプレーが堂安の真骨頂だ。監督からもそれを要求され、中央とサイドの間にできるハーフスペースに入ってプレーすることを求められている。

ただし、フライブルクでは2列目の左にイタリア代表経験のあるMFヴィンチェンツォ・グリフォが起用されている。現在29歳のグリフォはチームに延べ7年在籍する絶対的な司令塔。今季も公式戦5得点と絶好調だ。そんな彼が中央寄りの位置でプレーするため、堂安が中央に入ってもスペースがなく、窮屈になってしまう。

そこで堂安は、「グリフォが中央でプレーするので、サイドに張ってドリブルを仕掛ける回数を増やしたい」と監督に直訴。その調整として、自身の後方でプレーする右サイドバックのキリアン・シルディリアに「中央寄りでパスを受けて繋ぎ役に入って欲しい」と意見交換していることを、ブンデス第7節ホッフェンハイム戦直後のフラッシュ・インタビュー明かした。

また、同時期からトップ下に運動量豊富な新戦力キェレが定着。彼がサイドに流れることでできた中央のスペースに、堂安やグリフォが進出する形がスムーズになってきた。チームが攻撃パターンを増やす中、堂安自身も調子を上げている。

■「デュエル」の勝利数でリーグ7位

日本代表の右サイドは、カタールW杯アジア最終予選で4試合連続ゴールを挙げた伊東純也(スタッド・ランス)や堂安と共に東京五輪でダブルエースとして活躍した久保建英(レアル・ソシエダ)らが鎬を削る「最激戦区」。久保は9月のアメリカ戦で左サイドでも活躍して見せたが、彼等3人がポジションを争うのは間違いない。

伊東はイナズマの如く圧倒的なスピード、久保はバルセロナの下部組織で培ったボールスキルとそれを活かすための個人戦術が武器だ。ただ、伊東はスペースがないと活きず、久保は守備面で長足の進歩を見せているものの、フィジカルバトルが弱点。

一方、堂安は身長172cmと小柄だが、フィジカルコンタクトには強い。ドイツでプレーした一昨季には局面での1対1の競り合いを意味する「デュエル」の勝利数でリーグ全選手中の7位となる384回を記録、彼には苦手な相手が存在しない。

フライブルクはデュエル勝利数で断トツのリーグ最下位でありながら、好成績を残している。ボール保持率はリーグ11位となる47%、パス成功率79.2%も12位だが、走行距離で3位に入るなど、組織的なプレーやハードワークで勝って来たチームだ。それは1カ月後に開幕するカタールW杯で、強豪国と対戦する日本の立ち位置とも似ている。

W杯初戦で対戦するドイツでその“疑似体験”を続ける堂安が定位置を確保し、カタールの本番で輝くのか、期待したい。

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文●新垣博之(しんがき・ひろゆき)


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