■「自分たちにできることはたくさんある」
鈴木は現役選手としてこの活動に取り組む意義について、自身の原体験と照らし合わせながら語る。
「僕も子どもの時にザスパ草津(現ザスパクサツ群馬)の練習に参加したことがあって、今でも覚えています。子どもたちにとって、現役の選手とできるということは印象に残ると思いますし、引退した選手じゃなくて、『現役の選手とできた』ということが子どもたちにとっていい刺激になると思います」。
また、「単純に一緒にサッカーをすることがすごく楽しいし、逆に子どもたちから元気をもらって、もっともっと頑張らないといけない、となります」と話し、子どもたちとのプレーがサッカー選手としての活動にもプラスに作用している面もあるという。
その中で、「コロナ禍で家庭環境がさらに厳しくなった子どもたちもたくさんいますし、そういうニュースを聞くと心が痛いし、まだまだ自分たちにできることはたくさんある。いろんなアスリートがこういった活動ができればいいですし、それを現役中にやることが大事だと思います」と述べ、アスリートがそれぞれの影響力を生かして活動することの重要性も説いている。

サッカー教室開催後の子どもたちとの記念撮影
■農業分野での課題解決に意欲
「Hokkaido Dream」の活動については現役後も意欲を見せ、その時々に起こる社会問題に取り組んでいき、並行して全国でのサッカー大会も開いていくという。
今後の具体的な活動プランについて鈴木は、農業の分野にさらに取り組んでいくことを明かす。18歳で児童養護施設を出る子どもの中には、夜の世界に進む子も少なくないといい、施設を出た子どもの就業先として農業への道を用意することで、後継者不足の課題を抱える農家側にもメリットが生まれ、双方の課題解決に向かっていくことを目指している。
「コロナ禍の時は食糧問題があったのでそれに取り組んで、今度は農業という分野で社会課題に一つひとつ取り組んでいく。人間的にも成長できると思うし、そこに取り組んでいくことで少しずつ僕の周りから変える。そこは引退してもやっていきたいと思います」。
今回の「HEROs AWARD」受賞に対して鈴木は、「賞を受賞したいから始めたわけではないですが、活動の幅を広げられるチャンスだとは思うので、そこはうまく活用してやっていけたらとは思います」と語った。フィールド内外で周りを救うヒーローとして、ストライカーの挑戦は続く。
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取材・文●井本佳孝(SPREAD編集部)










