【バスケW杯】ドイツに屈した日本 復帰の渡邊雄太は20得点でチーム牽引も「3P決めなければ」 期待の河村勇輝は苦戦…

 

【バスケW杯】ドイツに屈した日本 復帰の渡邊雄太は20得点でチーム牽引も「3P決めなければ」 期待の河村勇輝は苦戦…
バスケW杯初戦に挑んだ渡邊雄太(C)Getty Images

FIBAバスケットボールワールドカップ2023が25日、ついに幕を開けた。第2試合に登場したFIBAランキング36位の日本は同11位のドイツと対戦。日本は63-81でドイツに敗れ、初戦を白星で飾ることはできなかった。

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■ドイツの高さに苦しんだ日本

沖縄アリーナの記念すべきオープニングゲームは、フィンランド(FIBAランキング24位)対オーストラリア(同3位)が行われた。

優勝候補の一つに数えられるオーストラリアは2021年夏に行われた「東京オリンピック2020」で初めて銅メダルを獲得している。パティ・ミルズ(アトランタ・ホークス)やジョー・イングルズ(オーランド・マジック)といったNBAで活躍する選手たちや、Bリーグ島根スサノオマジックのニック・ケイらが顔を揃えている。

オーストラリアはフィンランドを相手に序盤こそリードを許すこともあったが、後半は完全にペースを掴む。ミルズが25得点の活躍を見せ、最終的には98-72と大差をつけてオーストラリアが見事勝利を飾った。

続く第2試合に登場した日本とドイツ。トム・ホーバスヘッドコーチは、これまで幾度となく初戦の重要性を説き、ドイツ戦に照準を合わせてきた。しかし、日本は序盤からドイツの高さに苦しみリードを許す展開が続く。

後半に入ると日本は、足首の捻挫から復帰した渡邊雄太が連続得点を決め、守備ではドイツの得点を抑えるなど躍動したが、序盤で奪われたリードを詰めることができず、63-81で敗れた。日本が放った3ポイントシュートは35本、しかし決め切れたのは6本にとどまった。これが敗因の一つだ。

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その中でもNBAで5シーズン、プレーを続ける渡邊はこの試合最多となる20得点とチームを牽引した。試合後、渡邊は「3ポイントシュートを決めなければ勝てない。必ず次は決めるだけ。いいシュートが決まればいいディフェンスができるが決め切らなければ相手に走られる。オフェンスでリズム掴めずディフェンスに響いてしまった」と振り返った。

■馬場雄大が渡邊に続く

馬場雄大は豪快なダンクを披露するなど15得点を挙げ、渡邊に続いた。直前の国際強化試合ではなかなか調子が上がらなかった馬場の活躍は好材料だ。

しかし、期待された若手の河村勇輝は、まだ硬さが感じられた。トム・ホーバスヘッドコーチは河村について、「悪くないが、まだ彼の特別なプレーを見せてない。もっともっとできる。この試合の経験は生きる。まだこれからだ」とコメントした。

「ドイツのエンジン」とホーバスヘッドコーチが表現していた、NBAロサンゼルス・レイカーズで八村塁とともにプレーをしていたデニス・シュルーダーと対峙した河村。悔しい思いを味わいながら、どんなことを吸収し成長を遂げるのか注目したい。

続いては27日、フィンランド戦に挑む日本。シュート成功率を上げることも重要だが、渡邊は「高さで負けるのはしかたない。運動量と速さで勝り、取られてもすぐ切り替えてオフェンスに繋げること。(ドイツ戦で)ヨーロッパの強さをみんな実感できたと思う。落ち込んでいる暇はない」と奮い立たせていた。

悔しい敗戦を糧にフィンランド戦、勝利をもぎ取ることができるのか。日本バスケットボールの成長を見せてもらいたい。

なお、今大会は9月10日まで、フィリピン、インドネシア、日本の3カ国で開催され、日本は沖縄アリーナが舞台。32チームが参加し、16日間で92試合が行われ、1次ラウンドは29日にかけて、2次ラウンドは9月1日から3日に、17位-32位決定戦は8月31日から9月2日に、ファイナルフェーズは9月5日から10日に行われる。

決勝は9月10日。ファイナルフェーズはフィリピンのマニラで開催される。

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■著者プロフィール

木村英里(きむら・えり)
●フリーアナウンサー、バスケットボール専門のWEBマガジン『balltrip MAGAZINE』副編集長

テレビ静岡・WOWOWを経てフリーアナウンサーに。現在は、ラジオDJ、司会、ナレーション、ライターとしても活動中。WOWOWアナウンサー時代、2014年には錦織圭選手全米オープン準優勝を現地から生中継。他NBA、リーガエスパニョーラ、EURO2012、全英オープンテニス、全米オープンテニスなどを担当。