【女子ゴルフ】今季未勝利の上田桃子と稲見萌寧、地元でメジャー制覇狙う櫻井心那に注目 日本女子プロゴルフ選手権展望

 

【女子ゴルフ】今季未勝利の上田桃子と稲見萌寧、地元でメジャー制覇狙う櫻井心那に注目 日本女子プロゴルフ選手権展望
女子ゴルフの上田桃子(C)Getty Images

女子ゴルフの国内メジャー第2戦「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」(長崎県・パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ/6755ヤード、パー72)が7日、開幕する。

昨季は、京都府の「城陽カントリー倶楽部」を舞台に、予選会から勝ち上がった川﨑春花がルーキーイヤーの初優勝をメジャー制覇、しかも地元で飾るという史上初の快挙を成し遂げた。今季の舞台は「パサージュ琴海アイランドゴルフクラブ」。この難コースを選手たちはどう攻略していくのか。

◆7連勝を含む通算9勝! 女子プロ“日本一”決定戦で過去に一番勝っているのは誰?

■最も重要なのは、ボギーを減らすこと

大村湾に突き出した半島の中にあるシーサイドコース「パサージュ琴海アイランドGC」。海風、そしてアンジュレーションのきついグリーン。一筋縄では行かない難コースだ。

同クラブでの「選手権」開催は2015年大会以来、2回目となる。そこで15年大会上位選手のスタッツを調べてみた。

ご覧の通り、上位3選手はいずれもボギーを1ラウンド3つ以下に抑えている。難コースで勝つためには、ボギーをたたかないことが最優先なのだ。その上でバーディをどう取っていくか。パー5のバーディ数でテレサ・ルー(台湾)が抜きんでていたことが、彼女の優勝につながったとみていい。つまり、チャンスできっちり伸ばせるかが問われるわけだ。

こう考えていくと、第一優先はボギーを最小限にとどめること=パーセーブ率が高い。第二優先はどれだけバーディが取れるか=平均バーディ数が多いことになる。実際、15年大会上位3選手のスタッツを見ても、最も大事なパーセーブ率は全員トップ10以内である。

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では、ここから今季のパーセーブ率、平均バーディ数上位選手を見ていく。

パーセーブ率、平均バーディ数とも山下美夢有が断トツ。前週も最終日に追い込み、普通に考えれば、優勝の最有力候補である。ただ絶好調かといえば、疑問が残る。そこで推したいのが、パーセーブ率2位の上田桃子と同16位の稲見萌寧だ。ともに「ニトリレディス」で優勝争いを演じ、前週は欠場、調整に充てた。さらに、上田は同じコースで行われた15年大会で2位タイと、良いイメージを持って試合に臨める。今季未勝利の二人。上田は悲願のメジャー制覇、稲見はメジャーでの復活優勝がかかる。

一方で、地の利であるとか、モチベーションの高さも大切な要素になる。実は、今季「選手権の優勝を目指す」と公言してきた選手が二人いる。葭葉ルミ櫻井心那だ。

葭葉にとって「パサージュ琴海アイランドGC」は毎年オフに合宿を張っている、思い入れが強いコース。長崎出身の櫻井にとっても、ホームコースであり、めったにない地元開催のチャンス、燃えないわけがない。この二人は特に注目して見ていきたい。

ちなみに櫻井は今季、同郷で長崎日大高の先輩である古賀雄二キャディーと2勝している。古賀キャディーは「ワールドレディスチャンピオンシップ」では吉田優利と組んでメジャー制覇を遂げており、古賀キャディーが櫻井を担ぐのか吉田を担ぐのかも気になるところ。

初日の注目組だが、午前スタートでは菅沼菜々、小祝さくら、稲見のペア。10番から7時55分にティーオフする。そして山下、鈴木愛、岩井ツインズの姉・明愛の組。8時05分、10番スタートとなる。午後スタートでは、メルセデス・ランキング1位の申ジエ(韓国)、昨季覇者の川﨑、前週3勝目を挙げた櫻井のペアリング。1番から12時20分にスタートする。

■有力選手のペアリング

なお、有力選手の主なペアリングは以下の通り。

1番スタート/7:40/仁井優花、ペ・ソンウ(韓国)、内田ことこ
1番スタート/7:50/後藤未有、金澤志奈、高橋彩華
1番スタート/8:00/阿部未悠、リ・ハナ(韓国)、笠りつ子
1番スタート/8:10/佐藤心結、イ・ミニョン(韓国)、野澤真央
10番スタート/7:45/安田祐香、福田真未、岩井千怜
10番スタート/7:55/菅沼菜々、小祝さくら、稲見萌寧
10番スタート/8:05/山下美夢有、鈴木愛、岩井明愛
10番スタート/8:15/桑木志帆、蛭田みな美、ささきしょうこ
10番スタート/8:25/川岸史果、藤田さいき、山内日菜子
1番スタート/12:00/吉田優利、小滝水音、竹田麗央
1番スタート/12:10/佐久間朱莉、上田桃子、神谷そら
1番スタート/12:20/申ジエ(韓国)、川﨑春花、櫻井心那
1番スタート/12:30/穴井詩、永峰咲希、菊地絵理香
1番スタート/12:40/青木瀬令奈、吉本ひかる、西郷真央
10番スタート/12:25/宮澤美咲、仲宗根澄香、鶴岡果恋
10番スタート/12:35/原英莉花、葭葉ルミ、渡邉彩香

◆「一緒に名前を出してほしくないくらい(笑)」 櫻井心那が宮里藍、畑岡奈紗に次ぐ史上3人目の10代3勝

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文●河野道久