今週は中山競馬場でホープフルステークス(芝2000m)が行われる。コントレイルやサートゥルナーリアといったのちのクラシック勝ち馬を輩出した出世レース。来年の主役候補誕生に期待がかかる。
ここでは、過去10年データからGI昇格後の2017年以降を参照。ヴェロキラプトルとシリウスコルトの2頭にフォーカスした「83 or 0%」データを取り上げる。
◆【ホープフルステークス2023予想/追い切り診断】レガレイラを上回る「S」の最高評価 「デビュー以来一番いい状態か」
目次
■ヴェロキラプトルに【2.2.1.1】の好データ
デビュー戦、野路菊Sと無傷の2連勝。勇躍GIの舞台に参戦をはたすのがヴェロキラプトルだ。同じ無敗馬のゴンバデカーブース、シンエンペラーの影に隠れているものの、逃げ差し自在の脚質は大きなアドバンテージ。初の重賞で他馬との力差が気になるところだが、半信半疑の声を一蹴するデータがこちら。
・前走芝1800mのOPを上がり3F最速で勝利【2.2.1.1】
6戦中5戦で馬券内の“83%データ”に該当。コントレイルやダノンザキッドが勝利を収めるなど、極めて高い好走率を誇っている。
この馬について補足すると、阪神芝1800mの前走勝ち時計は1分46秒0。これは2歳馬の9月阪神芝1800mにおける最速で、リスグラシューやトップナイフといった2歳GI連対馬をも上回る時計だった。産駒が快進撃をみせる父・スワーヴリチャードは現役時代、レイデオロやキセキ、リスグラシューといった名馬としのぎを削った馬。初年度産駒から誕生した逸材が戴冠をはたすシーンは想定したい。
■シリウスコルトにのしかかる【0.0.1.11】
ヴェロキラプトルとは対照的に“0%データ”に該当してしまったのがシリウスコルトだ。前走芙蓉Sは中山芝2000mで上がり3F最速勝利。その他有力馬との比較でコース適性を証明している点は追い風と捉えられるが、一概にそうとは言い切れないデータが以下のとおり。
・前走中山芝2000m組【0.0.1.11】
のべ10頭以上が連対外の“0%データ”に抵触。当日1番人気に支持されていたミッキーカプチーノやのちのGI好走馬オーソリティ、サンリヴァルも含めた全頭が馬券外に沈んでいる。不思議なことに、ホープフルSと同コースから臨む馬にとって鬼門となっているのだ。
シリウスコルトは2走前の重賞新潟2歳Sで5着。前走勝ち時計2分3秒0も平凡で、メンバーに恵まれた印象は否めない。同じ舞台で培った経験値が決してプラスに働かないデータを踏まえると、ここは“消し”の選択肢が浮上してしまう。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。