カブスからFAとなったマーカス・ストローマン投手のヤンキース加入が決まった。複数の米メディアが11日(日本時間12日)に報じたところによると、2年総額3700万ドル(約53億7000万円)で契約したという。山本由伸投手の獲得に失敗して以降、先発投手の補強に奔走していたチームがようやく新戦力を手に入れた。
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■自身のインスタで「ヤンキースの一員になった」
MLB公式サイトのマーク・フェインサンド記者が「情報筋によるとマーカス・ストローマンとヤンキースは2年総額3700万ドルで契約に合意した」とつづり、自身のX(旧ツイッター)に投稿。その後、各メディアも続いた。
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現在32歳のストローマンはメジャー9年で通算77勝76敗、防御率3.65。昨季はカブスで10勝9敗、防御率3.95をマークし、4年ぶり2度目となるオールスター・ゲームにも選出された。
ニューヨーク州出身のストローマンは以前にもヤンキースでのプレーを熱望し、「私はニューヨークっ子。それがすべてを物語っている。ヤンキースタジアムで投げるのが大好きだ」とコメント。“ヤンキース愛”を強調していたが、物議を醸す言動もたびたび見られた。
2019年夏のトレード市場で、ヤンキースがストローマン(当時ブルージェイズ)獲得を目指すという話が持ち上がったが、ブライアン・キャッシュマンGMは「ストローマンは違いを生み出す選手ではない」とコメントし、これを否定。トレード要員とされたクリント・フレイザー外野手を手放してまで獲得する必要はないと言い切り、話は消滅した。
しかし、キャッシュマンGMの発言に納得できなかったストローマンは、自身の成績とヤンキース先発陣の成績を比較した画像を投稿。自身の防御率(3.23)が、ヤンキース先発陣の防御率(4.49)より優れていると自身のSNSを使って訴えた。
■「メッツを抜けられて感謝」たびたび舌禍も
また、21年オフにメッツからカブスに移籍した際には「あの球団(メッツ)を抜けられたことに感謝している。彼らが誰をGMに雇ったかを見れば、これ以上の説明は必要ないだろう」とつづり、自身のSNSを通じて新任のビリー・エプラーGMと招へいした球団に不満をぶつけた。
このため、今回の移籍に対しては多くのメッツファンも反応。SNS上では「ストローマンがヤンキースでのプレーを終えた後、ヤンキースファンはメッツファン以上に彼を憎むようになっていると思う」「ストローマンはスポットライトを浴びるのが大好きで、でも批判されるのは嫌いで、常にドラマをもたらすピエロだ」など批判的なコメントが並んだ。
「グッドラック! ヤンキースのストローマン獲得を祝うメッツファンたち」との見出しを掲げた米スポーツサイト『FANSIDED』は「ストローマンは球界で物議を醸し、SNS上で口論する癖があり、多くのファンを遠ざけてきた」と指摘。そして「メッツファンの多くは、気難しいと評判の選手がライバルに加わることを歓迎している。ストローマンがヤンキースのクラブハウスの雰囲気をぶち壊すというアイデアを気に入っているようだ」と記し、今回の移籍劇がチームに与えるマイナス面に注目した。
山本獲得に失敗したヤンキースは、サイ・ヤング賞左腕ブレイク・スネル投手にオファーを出したものの、金額面で折り合わず、かつて衝突したストローマンに照準を変えたと見られるが、この方針が吉と出るか凶と出るか……。ヤンキースは思わぬ火種を抱えてしまった可能性がある。
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文●SPREAD編集部