【秋華賞/血統展望】2強対決も印回したい“ロマン枠” 「平坦中距離で一発期待の配合パターン」

【秋華賞/血統展望】2強対決も印回したい“ロマン枠” 「平坦中距離で一発期待の配合パターン」

今週末は、第29回秋華賞(GI、京都芝2000m)が行われる。

オークスを制したハービンジャー産駒チェルヴィニア、桜花賞馬のエピファネイア産駒ステレンボッシュ、ローズS勝ち馬のキズナ産駒クイーンズウォークをはじめ、多彩な血統構成の馬が集結。

ここでは、馬券検討のヒントとなる「血統」で本競走を攻略する。

◆【秋華賞2024予想/危険な人気馬】前走快勝も「0.1.1.26」該当で“消し” 4回続く「トライアル勝利→本番敗戦」の鞍上にも懸念

■京都開催の秋華賞は差し有利

内回りコースが舞台とあって先行有利のレースをイメージしてしまいそうだが、京都開催の秋華賞は中団以降からの差しが強い。

京都開催過去10回分の秋華賞において、前受けして勝ち切ったのは、昨年の三冠牝馬リバティアイランドのみ。そのリバティアイランドもレース中盤までは中団で様子を見つつ運び、勝負どころで動いて位置を押し上げるレース内容だった。

内回りコース、3角過ぎからの淀の下り坂、そして皆が勝ちたいGIという種々の条件が組み合わさって、レースは早めに動くことがほとんど。そのためペースは激化しやすく、結果として脚を溜めていた差し馬にチャンスが回ってくる格好になりがち。

ヒモ穴に関しても関しても同様の文脈で考えたい。京都開催過去10回分の秋華賞において、6番人気以下の馬が3着以内に好走したのは7例存在したが、そのうち5例は4角10番手以下の馬によるもの。穴を狙うなら「前ではなく後ろから」という点も念頭に置いておこう。

Advertisement


■チルカーノの牝系は平坦巧者がずらり

今回注目したいのは、ハービンジャー産駒。ここでは該当馬の中からチルカーノをピックアップする。

父はハービンジャー、母は秋華賞&エリザベス女王杯で3着の実績があるアロマティコ。半兄に皐月賞馬のジオグリフがいる。

ハービンジャー×キングカメハメハは有馬記念馬ブラストワンピースやエリザベス女王杯を制したモズカッチャンと同じ好相性の組み合わせで、チェルヴィニアもここに含まれる。

ジオグリフ・チルカーノきょうだいが属するペルースポート牝系は、直線平坦コース巧者、コーナー4つの中距離巧者が多いのが特徴で、サンバレンティン(七夕賞、福島記念)やオーバーザウォール(福島記念)など、平坦直線コースの中距離だけでメシを食う方々が少なくない。

兄のジオグリフは直線に急坂のある中山で皐月賞を制したが、札幌2歳Sでも強い勝ち方を見せ、札幌記念でも惜しい2着に好走したあたりは、やはりペルースポートだねという感じ。母のアロマティコも京都のGIで好走した実績がある。

チルカーノは2走前に同舞台の稲荷特別で敗れたとはいえ、ハービンジャー産駒のこの馬にとって、当時は少々時計が速すぎた印象も。適度に時計と上がりのかかる直線平坦の中距離であれば一発を期待できる配合パターンなので、ロマン枠で印を回したい1頭だ。

あとは枠と週末の馬場コンディションを見つつ、最終結論に至りたい。

秋華賞2024 予想コラム一覧

特集

◆【秋華賞2024特集】出走予定・枠順、予想オッズetc. 「ステレンボッシュvsチェルヴィニア、二冠制覇なるか」お役立ち馬券攻略ガイド

◆【一覧】芸能人・予想家の「秋華賞2024」本命・注目馬予想まとめ 秋GI再スタート、スプリンターズS的中者も要チェック

◆【一覧】「秋華賞2024」大口投票パトロール チェルヴィニアに「100万円超」連発で前売り盛況 単勝オッズ2桁に複勝“210万円”も

◆“GI初制覇”のトレンドは秋華賞も続くのか? ダノンデサイルは半世紀ぶりのダービー・菊2冠に挑む【記録から読み解く秋GI展望】

◆【高配当メソッド】3人気以内が毎年連対も3連単に妙味 「馬券内率40%」該当は想定“10人気以下”

追い切り評価

◆【追い切り診断】パワーアップぶり顕著で「S」の最高評価 滑らかなコーナリングと豪快な伸びに「盤石の状態」

◆【追い切り診断】チェルヴィニアに迫る高評価 「前走からさらに上昇」の攻め気配で勝ち負け十分

◆【追い切り診断】有力一角に辛口「B」評価 これまでと違い素軽さ欠き「手応え劣勢」で案外な動き

データ分析・過去10年傾向

◆【枠順】ステレンボッシュが「6.0.0.7」ピンかパーの枠に “馬券内率52.6%”該当は伏兵2頭

◆【データ攻略】人気ガタ落ち実力馬に「2.0.1.0」 極上の馬場適性で“2強崩し”に虎視眈々

◆【データ攻略】前走オークス組2頭の「買い or 消し」 アーモンドアイら三冠馬目白押しの「6/6」該当は?

◆【全頭診断】チェルヴィニアに“バグッた数字”該当で鉄板級か 前哨戦勝ち馬には「0.0.1.3」の黄色信号

◆【秋華賞2024】過去10年のレース結果・配当・血統まとめ 傾向分析に使えるお役立ちデータ

◆【前走ローテ】直行組も前哨戦組も“実績”がキーポイント 馬券内率「44.4%」を誇る期待のステップ

穴馬予想

◆【穴馬アナライズ】枠順×中間×前走すべて「買い要素」 想定オッズ“2桁”の伏兵に2強割り期待

◆【穴馬アナライズ】前日“10人気”前後が前走惨敗から巻き返し 晩成血統が示した「急成長の証」

◆【危険な人気馬】前走快勝も「0.1.1.26」該当で“消し” 4回続く「トライアル勝利→本番敗戦」の鞍上にも懸念

マイルチャンピオンシップ南部杯/府中牝馬ステークス2024 予想コラム一覧

◆【MCS南部杯/3連単36点】調教で“併走遅れ”レモンポップの評価は 「一発逆転」狙うなら人気盲点のJRA所属馬

◆【府中牝馬ステークス2024】過去10年のレース結果・配当・血統まとめ 傾向分析に使えるお役立ちデータ

著者プロフィール

ドクトル井上
【重賞深掘りプロジェクト】血統サイエンティスト。在野の血統研究家。旧知のオーナーを中心として、セリや配合のコンサルティング業務を請負中。好きな種牡馬はダノンレジェンドとハービンジャー。苦手な種牡馬はMore Than Ready。凱旋門賞馬Ace Impactの血統表は芸術品なので、ルーヴル美術館に収蔵されるべきとわりと本気で考える三十路の牡馬。