今週は京都競馬場で秋華賞(芝2000m)が行われる。3歳牝馬GI最後の一戦に世代上位馬が集結した。
ここでは、2012年以降の京都で開催された10年データからチェルヴィニアとアドマイヤベルにフォーカスしたデータを取り上げる。
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目次
■オークス馬チェルヴィニアに“勝率100%”
オークスで鮮やかな巻き返しをはたしたチェルヴィニア。GI馬ステレンボッシュをねじ伏せて樫の女王の座に就いた。春に惨敗を喫した関西圏で迎えるここは半信半疑の側面も否定できないが、データではどのようなジャッジが下されるのだろうか?
・オークスを上がり3F最速勝利【6.0.0.0】
該当馬6頭すべて勝利の“勝率100%”データに該当。アーモンドアイ、デアリングタクト、リバティアイランドといった三冠馬もこれを満たしており、オークスで発揮した切れ味は京都芝2000mで活きるとの傾向が出現した。まさしく超鉄板級のデータと言えよう。
チェルヴィニアについて補足すると、前走オークスは後方待機から末脚を活かす競馬に徹したが、2番手から6馬身差圧勝の未勝利戦、東京芝1600mで3番手追走→勝利のアルテミスSが示すように先行力に秀でたタイプ。内めの枠を引き当てたここはポジションをとりにいく競馬が予想される。C.ルメール騎乗時の成績【3.1.0.0】も含め、GI連勝の可能性は十分だ。
■アドマイヤベルが立ち向かう“0%データ”
その一方で“0%データ”に該当してしまったのがアドマイヤベルだ。フローラSを制して臨んだ前走オークスは9着。トライアルに全振りしてしまった影響か、馬に余力が残っていない印象を受けた。ひと息入れられたここは穴妙味ある1頭との見方もあるが、データ面の不安材料がこちら。
・前走オークスで掲示板外【0.0.0.12】
12頭すべてが馬券外の“鬼門データ”が浮上。オークスからの直行組は3着内から臨む馬でないと上位進出が望めず、簡単なローテーションではないことがうかがえる。
前述のデータに加え、今回は初の関西圏かつ未経験の右回り。クリアすべき課題が揃ってしまった点もまた評価上昇をストップしてしまうものとなる。実績面での物足りなさが残る現状から、点数が増えるぐらいなら“バッサリ切る”選択に舵を切ってもよさそうだ。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。