今オフのフリーエージェント(FA)市場では、フアン・ソト外野手の動向が最大の関心事となっている。ただ、負けず劣らず注目を集めているのが、ポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦が容認された佐々木朗希投手。ドジャース入りが既定路線のように報じられているが、米スポーツメディア『The Athletic』のジム・ボウデン氏は14日(日本時間15日)、この情報に真っ向から反論した。
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■「ド軍と契約する可能性は低い」
レッズやナショナルズなどでGMを務めたボウデン氏は、佐々木の動向について「球界の一部はドジャースが彼を獲得する最有力候補だと宣伝しているが、私はそうではないと思う」と断言。関係者から話を聞いた上で「むしろ、最終的に契約する可能性は低い」と主張した。
ドジャース入りを否定する理由の一つは、お金にまつわる部分。23歳の佐々木がメジャーに移籍する場合、「25歳ルール(25歳未満かプロ6年未満の海外選手とはマイナー契約しか結べない)」に縛られるため、山本由伸投手が昨年ドジャースと交わしたような大型契約(12年3億2500万ドル)は締結できない。
さらに、マイナー契約の佐々木は2027年シーズン終了後まで調停権を得られず、FAになるのは30年シーズン終了後となる。つまり、大規模契約とは無縁の期間を過ごすことになる。
■スポンサー契約は山本より千賀が上
このため、ボウデン氏は「この間、ササキと彼の代理人はどうやって収入を最大化するのだろうか」と提起した上で、「答えは簡単。スポンサー契約だ」と指摘。ところが、ドジャースでは大谷翔平投手と山本の影に隠れることになり、スポンサー契約にも限界があると説明した。同氏によると、実際、山本よりも千賀滉大投手(メッツ)の方が多くのスポンサー契約を獲得していると紹介し、収入を最大化する上では大谷とチームメートとなることが必ずしも得策にならないと訴えた。
また、同氏はドジャースの環境面も危惧。「チームを取材する日本のメディアは常時25~35人おり、加入した場合、ササキは彼らに対応する必要がある。どの球団と契約しても注目されるのは確実だが、ドジャースは若くて成長中の投手にとって最良の状況とは言えない」と記した。
■師匠としてダルビッシュは最適
佐々木は完成された投手ではなく、あくまで発展途上。その点を考慮すれば、育成に優れた球団はドジャース以外にもあり、同氏は強力な育成プログラムを持つ球団としてパドレス、レイズ、メッツ、ブレーブスの名前を挙げ、「(争奪戦は)彼らに有利に働く」と予想。特にパドレスにはダルビッシュ有投手がおり、佐々木の指南役としては最適と強調した。
同氏は「私が聞いている限りでは、ドジャースよりもパドレス、レイズ、メッツ、ブレーブスがササキと契約する可能性が高い。ドジャース加入という噂は信じていない」と最後まで強気だった。
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