MLB公式の分析システム『スタットキャスト』が導入されて、今季で10年目。新たな指標が年々追加され、選手のパフォーマンスがより鮮明に掘り下げられる時代となった。
投手の平均球速は上昇し、今季はフォーシームがリーグ全体で過去最高の94.3マイル(約151.7キロ)を計測。2008年の91.9マイル(約147.8キロ)から、わずか16年で2.4マイル(約3.9キロ)も上昇した。100マイル(約160.9キロ)超えは珍しくない時代となったが、負担増加で故障の要因になると警鐘を鳴らす声も挙がっている。
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■今季最多は剛腕ミラーの「510球」
MLB公式のデータページ『Baseball Savant』によると、今季レギュラーシーズンの全投球数「70万9510球」のうち、球速100マイル超えを計測したのが「3321球」に。これは、投球解析が始まった2008年以降で史上3番目の記録となった。
初めて1000球を超えたのが2014年で、近年は毎年3000球を超えるなど直近10年間で3倍以上に増加。今季もっとも多くの100マイル超えを投じたのが、アスレチックスの新人メイソン・ミラー投手で「510球」。全1024球のうち646球がフォーシームで、最速103.8マイル(約167.0キロ)をマークした。
極端な球速上昇には、警鐘を鳴らす選手たちも存在する。アストロズのジャスティン・バーランダー投手は、近年の投手に故障が相次ぐ要因として「投球スタイルが大きく変わったこと」を挙げた。「誰もが可能な限り強く球を投げて、可能な限り回転をかけようとしている。これは諸刃の剣だよ」と、自身の経験を踏まえた上で見解を語った。
昨季はピッチクロックが導入され、牽制球の回数が制限されるなど、打撃戦を推奨するメジャーリーグのルール変更は投手への負担増加が懸念されている。
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