昨季4年ぶり8回目の世界一に輝いた、ナ・リーグ西地区の名門ドジャース。とりわけ注目を浴びたのが、大谷翔平投手が加わったメジャー屈指の上位打線だ。ムーキー・ベッツ内野手とフレディ・フリーマン内野手との「MVPトリオ」は、負傷離脱がありながらも最後までチームをけん引した。
中でも、ワールドシリーズMVPを受賞したフリーマンの勝負強さは群を抜いている。ここでは、直近3年間で4本の満塁弾を生み出したフリーマンが決して見逃さない絶好球「Meatball(ミートボール)」を取り上げる。
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■ど真ん中の絶好球を見逃さない
現在35歳のフリーマンは、2007年にドラフト2巡目全体78位でブレーブスに入団。10年にメジャー初昇格を果たすと、翌11年には157試合に出場して21本塁打。20年にはナ・リーグMVPを受賞、ドジャース移籍後の22年は打率.325、23年も.331と好成績を維持し、昨季も22本塁打89打点をマーク。通算4回目のシルバースラッガー賞を獲得した。ワールドシリーズでは、第1戦に逆転満塁サヨナラ本塁打を放つなど、勝負強さには定評がある。
初球スイング率がメジャー平均より10%以上高く、大谷とベッツよりも甘い球を見逃さないのが特徴だ。MLB公式のデータページ「Baseball Savant」によると、昨季のフリーマンは「Meatball Swing%(ミートボールスイング%)」が83.5%でチームトップの全体23位。「ミートボール」とはど真ん中の絶好球を示すもので、数字が大きいほど甘い球を見逃さずスイングしたことを意味する。
フリーマンはこの数値が毎年高く、2023年には全打者3位の「91.5%」を記録したほど。昨季の大谷は79.5%、ベッツは76.1%と平均クラスで三者のアプローチの違いが如実に表れている。選球眼にも優れており、四球も選べる。好球必打のお手本のような存在と言えるだろう。
■Meatball/Meatball Swing%
ストライクゾーンど真ん中の絶好球を示す。スイング率が高い打者は、甘い球を見逃さないことを意味する。積極的で選球眼の良い打者は高い数値を記録する傾向にあるが、コンタクト率や打球の質も重要となる。2024年のメジャー全体平均は「76.3%」。
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