今週は、皐月賞へ向けたトライアルレース、第62回弥生賞ディープインパクト記念(GII、芝2000m)が中山競馬場で行われる。
今年は、昨年の朝日杯FS2着のミュージアムマイルをはじめ、若駒Sを制したジュタ、ホープフルS3着のファウストラーゼン、同5着クラウディアイ、同6着アスクシュタインや、2戦2勝のヴィンセンシオなどが集結し、クラシックを占う上でも目が離せない一戦だ。
そんな中、無傷の2連勝でエリカ賞を制したナグルファルが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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目次
■無敗&大差勝ちは信頼に置けず
新馬、エリカ賞と、ともに京都の芝2000mを連勝し、クラシック戦線に殴り込みをかけるナグルファル。2戦とも好位から上がり最速の末脚で、他を寄せ付けない快勝劇を演じており、操作性の高さ、前向きな気性は大いなる武器だが、簡単に飛びつくわけにはいかない。
まだ負けていない、という点で注目度は高まるが、3連勝で弥生賞を突破することは容易ではない。過去10年、2戦2勝で臨んだ馬は【2.2.0.7】と4頭が連対を果たしているが、勝った2015年サトノクラウンと、16年マカヒキは、2戦目でオープン、または重賞を勝ち上がった上で3連勝を決めている。
一方、新馬→1勝クラスの2連勝で駒を進めてきた馬は【0.1.0.4】と、勝利を手にすることはできておらず、弥生賞で初黒星を喫することが濃厚。ナグルファルにとっては、エリカ賞をステップにしてきたことが、凶と出る可能性は高い。
そのエリカ賞では、後続に4馬身差の圧勝だったが、2着のワンモアスマイルは、先日の共同通信杯で9着に大敗、3着イガッチも次走のあすなろ賞で6着に敗れるなど、メンバーに恵まれた公算は高い。
なお、前走0.6秒以上の大差で勝利した馬は、過去10年の弥生賞で【1.0.0.2】。勝ったのは18年ダノンプレミアムで、その前走はGI朝日杯FS。一方、負けた2頭の前走は未勝利戦や1勝クラスで、比較的相手関係に恵まれた上での楽勝は、鵜呑みすることは禁物だ。
■リーディングタッグで人気も沸騰
近9年の弥生賞勝ち馬は、ディープインパクト産駒の6頭を筆頭に、ドゥラメンテ、サトノクラウン、アルアインと、現役時代に皐月賞や弥生賞を制したことがある種牡馬たち。
ナグルファルの父エピファネイアや、現役時代に弥生賞4着、皐月賞2着とこの舞台で勝ち星は上げておらず、産駒の弥生賞での成績も【0.0.0.4】と未だ相性は良くない。この点も踏まえると、ナグルファルも取りこぼす危険は高そうだ。
きさらぎ賞を制したサトノシャイニングや、フェアリーSを制したエリカエクスプレスなど、現在関西リーディングをひた走る好調、杉山晴師に川田騎手とのタッグ。
ゆえに人気も沸騰しそうな印象だが、上記の不安材料を持ち合わせており、そこまでの信頼感を寄せられず、妙味を考慮すると、今回は思い切って「消し」でいってみたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。