6月1日に行われる第92回日本ダービー(東京優駿/GI、東京芝2400m)には、豪脚で皐月賞を制したミュージアムマイル、ホープフルS勝ち馬クロワデュノール、皐月賞3着馬マスカレードボールらが出走予定。
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目次
■レースを支配するのはファウストラーゼン
今年もいよいよ競馬の祭典・日本ダービーを迎える時候となった。2022年に生まれた7950頭の頂点を決めるレースであり、昨年6月から始まった1年間に及ぶこの世代の最終決戦である。
世界中の競馬が行われている国にダービーは存在するが、セン馬が出走できないルールとなっている国も多く、このような国のダービーは優良な種牡馬・繁殖の検定レースであり、その国の競馬の将来に大きく影響を与えるレースである。
故にダービーは、祭典と云いながらも大変厳粛で格式が高く、今年も襟を正してこの祭典を楽しみたい。
想定逃げ馬:ファウストラーゼン
父:モズアスコット
母父:スペシャルウイーク
形相遺伝対象:RainBow Lake(父父の母母)
同馬が逃げて作り出す血統ペース:
形相遺伝対象からRainBow Quest ~欧州型Nasrullah系統のペース
今年の登録メンバーには典型的な逃げ馬は不在。今春GI戦線は、血統ペースを作り出す逃げ馬の設定が難しいレースが多いが、ファウストラーゼンは3走連続で途中から捲って先頭に立つ走りを披露、この走りで良績も挙げており、スタート時からの逃げ馬とは云えないが、ここも途中から先頭に立つ走りで血統ペースを作り出すと診る。
ファウストラーゼンという馬は、父と母はマイラータイプだったが、血統の奥から欧州型の中長距離タイプを遺伝対象先祖として現世に引き出していることから、本質的に広い舞台が向いており、このようなタイプが日本の小回りコースで活路を見出すには、ここ3走で披露しているような捲り作戦は効果的戦術と云える。
レースを支配する血統ペースを求めたところで、次に、血統ペースの観点から現時点の注目馬を一頭取り上げてみたい。
■適合馬は「明らかに距離を延ばすべきタイプ」
毎日杯を勝利し皐月賞に出走可能だったがスキップ、ここまで待機し、4年前のダービー馬シャフリヤールのような臨戦過程のファンダムを少々考察してみたい。
ファンダム
父:サートゥルナーリア
母:ファナティック
母父:ジャスタウェイ
・形相遺伝対象:ファナティック(母)
・形相遺伝対象の血統ペース:Grey Sovereign系統
(サンデー系種牡馬はブラインド解釈する為)
・血統ペース適合判定:Bランク(良好)
前走の毎日杯は、スローペースの馬群の中で控えて我慢するという競馬となったが、最後の直線に入ると弾けるような伸びを見せ、ほぼ最後方から、一気に全馬ごぼう抜きの差し切り勝ちを収めている。
他馬が止まって見えるほどの走りだったが、それもそのはず、上がり3ハロン32秒5は驚異的な上がりタイムであり、レース全体の上り33秒3も凄いが、これを大幅に上回っている。
デビューからの2戦はマイルで好位から運んだ走りだったが、おそらくダービーを意識した待機作戦だったと推測するが、それにしても強い内容であり、陣営の思惑どおりのレースだったと診る。
本馬の形相遺伝対象のファナティックは1勝に終わったが、更にこのファナティックの遺伝背景を診ると、母母グレイトフィーヴァーからSimply Greatへ辿る遺伝背景を持つことから、欧州型の中~中長距離タイプであり、今回の舞台適性に問題はない。
本馬はデビューからマイルを使われ、前走で中距離を使われたが、成長につれて血統面が表出してくると本質的にマイルは忙しく、明らかに距離を延ばすべきタイプであるが、個体として、陣営がマイルを使いたくなるほど豊かなスピードを持っているとも云える。
そして、私が特に気になっていることは、今春の東京コースの芝がとにかくタフであるということだ。
これは、毎週末ごとに降雨の影響を受け続けた影響と診るが、芝の中距離以上では欧州型の血統背景を持つタイプの好走が頻発し、スピード型や米国型の血統背景を持つタイプが好走できない傾向がある。
先週のオークスもこの傾向どおりの結果であり、欧州型が上位に入り、スピード型の1番人気桜花賞馬エンブロイダリー、そして、米国型の3番人気リンクスティップは不発に終わっている。
この点で云えば、本馬の血統背景は前出のとおり欧州型であり、現在の東京芝の馬場傾向に合致している。更には、私が提唱している血統ペース適合も良好であることから、毎日杯で披露したような末脚炸裂の走りを期待したい。
さて、この4月に緒に就いたばかりの当コラムだが、残念ながら今回が最終稿となる。私は現在メルマガ等で活動中であり、先週のオークスも的中している。興味のある方は「血統ペース理論」で検索願いたい。
最後に、第92回日本ダービーが素晴らしいレースになることを祈念する。そして、残念だが当コラムのペンを置くこととする。
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著者プロフィール
MASA
平成の初め、中島国治氏の血統理論と出会い、大いに感銘し影響を受ける。この中島理論をレース予想にどのように結びつけるかを研究し続けた末に、逃げ馬が自身の血統構成から作り出す「血統的なペース・流れ」がレースを支配するという「血統ペース理論」を開発、現在競馬予想家として、中島理論の継承努力を続けている。