すべての後輩や部下を持つ人へ 千葉ジェッツ・田口成浩が考える「チーム像」

2019-20年シーズンから副キャプテンに就任した、千葉ジェッツふなばしの田口成浩選手。前所属の秋田ノーザンハピネッツではキャプテンを務めた経験もあるが、移籍二年目にしての抜擢に注目が集まっている。

今回は、新シーズンに向けて副キャプテンとしてどのような役割を担っていきたいのか、また、チームを引っ張る立場としての心構えなどを伺った。

バスケットボールプレーヤーだけでなく、すべての後輩や部下を持つ人にとって参考となるエピソードが飛び出した。

※取材日は2019年9月下旬

チームを引っ張る人間として大切にしていること

撮影:戸嶋ルミ

――新シーズンから副キャプテンに就任されるということで、どのような役回りをしていきたいと考えていますか?

田口成浩選手(以下敬称略):「キャプテンに(西村)文男さん、同じ副キャプテンに(小野)龍猛さんもいますので、その二人がメインになってみんなに“言葉で”伝えていく役回りをやっていくと思います。自分はこのキャラでチームの雰囲気を良くしていきたいと考えています。率先して声を出す、声で盛り上げていきたいですね。その上でプレーや練習中の姿勢などでもやるべきことをしっかりやって、行動に説得力を出していければと」

言葉で引っ張る二人に対し、自分は“声”で盛り上げていきたいという田口選手。インタビュー当日の練習でも、田口選手の声がよく出ていたのが印象的だった。

そのことを本人に伝えると「そうでした? 意識してないんですよ」と笑っていた。どうやら“野球部仕込みの声出し”は、ここでも健在のようだ。

撮影:戸嶋ルミ

――前所属の秋田ではキャプテン、今季から千葉で副キャプテンと、チーム内での役職を経験されています。チームを引っ張る人間として大切にしていることは何ですか?

田口:「キャプテンや副キャプテンとして人の前で喋るからには、自分がしっかりと行動で示していかなくてはいけないと考えています。『自分の言葉に責任を持つ』ことですね」

言ってる本人がちゃんとやっていないと、説得力がないじゃないですか。言うからにはたくさん練習して姿勢を見せなくてはいけないし、結果を出さなくてはいけないですね」

こういった考え方は、何かに影響されたわけではなく「最初からですね、そういう性格なんです」という。そして、もう一つ大切にしている考えについて語ってくれた。

田口:「チームなので、いかに一つになるかを考えていきたいですね。自分は、勝つためには一つにならないとと思うんです。スタッフやコーチも、選手も、それぞれの点と点がつながって一つの線になることが勝つために必要なことなんじゃないかなと」

撮影:戸嶋ルミ

田口:「チームには、外国人選手も含めいろいろなバックグラウンドや考え方をもった選手がいます。その中で、いかに大野(篤史)ヘッドコーチのやりたいバスケット・作っていきたいチームというものを、みんなの共通認識として持たせられるかでしょうか」

田口選手は、「キャプテンや副キャプテンとしてやっていくからには、まず自分が最初に正しくヘッドコーチのやりたいことを理解して、その上でみんなに伝えていく」という。

それによって点と点になっている個々を一つの線で結ぶことができる、みんなが一つになれる、と教えてくれた。

自分と相反する考えの人との付き合い方

人が集まれば、必ずと言っていいほど意見の相違が生まれる。バスケットに限らず、熱い想いを抱く人が集まれば起こりうることだ。

もし「考え方が全然違う人と、自分が一緒に何かしなくてはいけない」という状況になったとき、田口選手ならどうするのだろうか?

撮影:戸嶋ルミ

田口:「考え方が違うからって『じゃあ別々にやろうよ』っていう考え方にはならないです。バスケットだったら5人でやるスポーツだから、1人ではできないですしね。僕は、もし考え方が真逆の人が相棒になったときは、相手に合わせます。まずは、その人がやりたいようにやってもらいますね」

「自分がその人を信頼しているということを伝えて、相手からも自分を信頼してもらえるようにしたいです。『あなたがこうやりたいなら協力するよ』って、これがチームだと思うんですよね。その次に自分の得意な部分を相手に見てもらって、相手に伝えます。そうすれば最初に自分が相手に合わせていった分、相手も向き合ってくれるのかな? と思います」

協力や連携というものは、スポーツに限らず仕事や趣味などにも必要とされる。人付き合いやチーム内の和についてお悩みの方の中には、田口選手流の考え方が参考になる人もいるのではないだろうか。

勝負の世界は華やかなようで、暗く険しい道程が続いている。勝利が決まるその瞬間まで、光が差すことはない。

選手・コーチ・スタッフが同じゴールに向かって進めるように、田口選手は声と姿勢、そして明るいキャラクターでチームを照らし、進むべき道へガイドし続ける。

2019-20年シーズンの”新生ジェッツ”の戦いぶりに期待したい。

プロフィール

撮影:戸嶋ルミ

田口成浩(たぐち・しげひろ):ツイッター インスタグラム

  • 秋田県出身。決め台詞の「おいさー!」は地元の仙北市角館町のお祭りで使われている掛け声。
  • 中学までは野球部で、声出しは野球部仕込み。
  • “野球が好きすぎる”プロバスケットボール選手として知られ、高校野球からプロ野球まで幅広く観戦。2019年8月には念願の始球式を実現させた。

≪写真・文:戸嶋ルミ≫

※2019年10月5日更新:「角館市」⇒「仙北市角館町」
記載に誤りがございました。ご迷惑をおかけした読者の皆様、関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。

≪10月7日公開予定≫

千葉ジェッツふなばし・田口成浩が叶えた始球式の夢 その裏側を本人が独占告白

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