元世界1位アンディ・マレー「ランキングは私にとって最重要ではない」 未来をポジティブに捉え直す

股関節の手術を乗り越えコートに復帰したアンディ・マレー選手は、もはや自分が最盛期を過ぎてしまったと半ば認めながらも、将来に明るい展望を抱いている。

かつてロジャー・フェデラー選手、ラファエル・ナダル選手、ノバク・ジョコビッチ選手とともにBIG4と呼ばれ、長く男子テニス界を支配しながらもケガに泣かされたキャリアの中で、マレー選手には大きな心境の変化があった。

キャリア絶頂期からのケガで引退も示唆

マレー選手のキャリアで絶頂期と呼べるのは、2016年にウインブルドンとリオ五輪の男子シングルスを制し、世界ランクで年間1位を獲得した瞬間だろう。現行のランキング制度になってから英国男子が世界ランク1位を獲得するのは史上初

だがマレー選手の絶頂期は長く続かない。2017年に入ると股関節の故障に悩まされるようになり、この年は全米オープン前にシーズンを終了している。2018年1月に股関節の手術を受けたが痛みは引かず、早期敗退と棄権の繰り返しで世界ランクも839位まで急降下した。

2019年1月には全豪オープンを前に涙ながらの引退示唆。英国出身のマレー選手は「ウインブルドンで終えたい」とホームでの引退を希望したが、股関節の痛みが深刻なため「それまで続けられるかも分からない」と涙をこぼした。

手術を経てカムバック 2年ぶりのツアー優勝

閉じかけたマレー選手のキャリアを再び開けたのは、今年1月に受けた手術だった。金属の人工股関節を埋め込む手術を経てマレー選手はまずダブルスで復帰。8月のウエスタン・アンド・サザン・オープンでシングルスにも復帰した。

そして、10月のヨーロピアン・オープンでは決勝でスタン・ワウリンカ選手を破り、2年ぶりのツアー優勝を果たしている。

この優勝のあと、マレー選手は「12日間は何もしなかったよ。まったく何も」と完全なオフを過ごした。新たに産まれた子どものため育児休暇を取っていたのだ。この時期は気ままに過ごしたため、デビスカップ前にはキャリアで最も体重が重くなったと言う。

「チョコレートビスケットを食べて過ごした。ハロウィンもあったし、家族の誕生日パーティーもあったので、ケーキやジャンクフードも食べたね。普段は84キロの体重が88.5キロまで増えたよ

ランキングよりも優勝を重視 未来をポジティブに捉え直す

BIG4と呼ばれ世界ランク1位や4大大会の優勝を争っていたころからすると、ゆるいシーズンの過ごし方だが、いまのマレー選手は多くの大会出場をこなしてランキングを上げることにはこだわっていない

「ランキングよりも大会で優勝することに関心がある。2016年に世界ランク1位を獲得したときは、ランキングがとても重要なことだと考えていた。当時の私はスケジュールなど多くのことがランキングに左右されていた」

ランキングを維持するため多くの選手は過密日程を強いられている。そうした生活からマレー選手は降りると決めたようだ。

「ランキングはもはや私にとって最重要なものではない。もっと余裕のあるスケジュールでプレーしたいと思っている。もっと休息と休憩を取り、出場した大会ではタイトルを争いたい。股関節は問題ない」

(c)Getty Images

マレー選手といえばジョコビッチ選手とのライバル関係が思い出される。ジョコビッチ選手が4大大会で圧倒的な強さを発揮した時期、頻繁に決勝で対戦相手を務め、準優勝者として記録されたのがマレー選手だ。

そのころと比べ「20代半ばの自分のレベルには及ばないかもしれない」と競争力の低下を認める。だが「ほとんどの選手とは十分に争える。私は幸せを感じているし、今後の数年間を楽しみにしている」とマレー選手は前向きだ。

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