【阪神大賞典/危険な人気馬】長距離適性と戦歴に懸念あり「該当馬6頭全て馬券圏外」の過去 混戦でも“過信できない”1頭は

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今週は天皇賞(春)へ向けた重要な前哨戦、第74回阪神大賞典(GII、芝3000m)が阪神競馬場で行われる。

今年は、昨年の目黒記念を制したアドマイヤテラをはじめ、菊花賞5着のレッドバンデ、日経新春杯2着のファミリータイムや、万葉Sを制したアクアヴァーナル、昨年の日経賞覇者マイネルエンペラーに、GII2勝のシュヴァリエローズなど、登録馬11頭ながら抜けた存在がいない混戦模様だ。

そんな中、重賞初挑戦の上がり馬ダノンシーマが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■重賞初挑戦で通用するほど甘くはない一戦

ダノンシーマは、デビューから8戦5勝2着1回3着2回と、堅実な走りで一歩一歩駆け上がってきた4歳馬。特に昨秋からは充実一途で、2勝・3勝クラスを連勝で突破し、前走の白富士Sでは、上がり32秒7の切れ味で、1分57秒0の好時計で快勝。3連勝でリステッド競走を勝ち上がり、勇躍重賞へ乗り込んできた。勢いは一番の同馬だが、伝統の一戦はそう甘くない。

過去10年の阪神大賞典で、前走がオープン・リステッド組は【0.0.1.14】の成績で苦戦傾向。昨年はサンライズアースが3勝クラスからの臨戦で阪神大賞典を制したが、同馬はダービー4着など重賞で好走歴を持っていた。3勝クラスやオープンから臨戦して馬券圏内に絡んだ馬はいずれも重賞に出走歴があり、2・3勝クラスを連勝して挑んだボスジラや万葉Sを勝っていたメイショウブレゲなど、ここが初の芝重賞だった馬は6頭いてすべて馬券外。重賞初挑戦の身ながら阪神大賞典で好走するのは至難の業となる。

前走が芝2000mという点も、ダノンシーマにとってはマイナス材料。前走芝2000m組は、過去10年で【1.0.0.7】の成績。2021年にディープボンドが勝った例はあるが、同馬は菊花賞4着と距離経験を持ち合わせていた。2016年には菊花賞馬トーホウジャッカルが2番人気で7着に敗れるなど、一気の距離延長は決してプラス要素ではない。ダノンシーマは芝2400mで3勝と、長距離適性を窺わせてはいるが、前走のハイパフォーマンスを見せられると、中距離のほうが、より同馬の資質を発揮できそうな気もする。

■父が得意としていた距離が壁に

血統面では、父キタサンブラックは現役時代に菊花賞と天皇賞(春)、芝3000m以上のGIを3勝している一流のステイヤーだったものの、産駒の芝3000m以上の重賞は【0.0.1.6】で、いまだ連対がない。これまでに、芝1200mから障害競走まで幅広く重賞ウイナーを輩出している父だが、自身が最も得意としていた距離が、産駒にとって壁となっている。

今年はGI馬の参戦もなく、上がり馬として期待の大きいダノンシーマ。しかし、管理する中内田師は、芝3000m以上の重賞は未勝利、川田騎手も2010年菊花賞のビックウィーク以降、芝3000m以上の重賞は勝っておらず、長距離重賞とは無縁のコンビ。

加えて、初重賞であることや、一気の距離延長、血統面など不安材料は多く、過剰に人気を集めるようであれば、妙味はないと考え、少なくとも「頭」勝負は避けたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

izukawaya