【府中牝馬S/危険な人気馬】重賞ウイナーに“黄信号” 実績馬に重くのしかかる「0.1.0.8」のハンデの壁

【府中牝馬S/危険な人気馬】重賞ウイナーに“黄信号” 実績馬に重くのしかかる「0.1.0.8」のハンデの壁

今週は春の東京開催を締めくくる牝馬のハンデ重賞、第74回府中牝馬ステークス(GIII、芝1800m)が東京競馬場で行われる。

今年は、昨年のレース覇者セキトバイーストをはじめ、福島牝馬Sで重賞2勝目を飾ったコガネノソラ、昨秋に福島記念を制したニシノティアモといった重賞ウイナーや、エ女王杯2着のパラディレーヌ、東風Sを制した上がり馬ヴァルキリーバースなど、個性豊かなメンバーが揃い、ハンデ戦らしい、激しい攻防が期待される。

そんな中、重賞2勝目を狙うニシノティアモが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■前走GI出走馬は一度も複勝圏内ナシ

昨年から本格化を果たしたニシノティアモ。1勝クラスから3連勝でオープン入りを果たすと、久々の重賞挑戦となった福島記念で、牡馬を撃破して重賞初制覇。今年は中山牝馬Sで差のない5着に好走すると、ヴィクトリアマイルでは先行策から見せ場たっぷりの走りで6着。東京芝1800mは2勝をマークしている舞台だけに、牝馬限定のGIIIなら間違いなく主役となるだろう。

とはいえ、真夏のハンデ戦だけに、斤量は成績に大きく直結してくる。2024年まで開催されたマーメイドSの流れをくむ府中牝馬S。2016~24年のマーメイドSと昨年の府中牝馬Sでの過去10回では、負担重量51キロ以下の馬が5勝しているように、軽量馬の活躍が目立つ一戦。一方、56キロ以上の馬は【0.1.0.8】と苦戦が目立ち、ニシノティアモも56キロが課され、重賞勝ち馬だけに仕方ないところだが、積極的には狙いたくないところだ。

また、前記と同様の条件で、過去10回の3着以内馬延べ30頭中、半数の15頭が、前走で2勝、3勝クラスから臨戦してきた、いわゆる格上挑戦の馬が好走する確率の高いレース。一方、前走がGIIは【0.2.2.7】、GIが【0.0.0.9】と、格の高い重賞からの臨戦では、勝ち切ることができていない。昨年の1~3着馬も、前走がOP1頭、3勝クラス2頭と、レース名や開催場所が変わってもその傾向は引き継がれており、ニシノティアモもヴィクトリアマイル好走だからといって、即飛びつくわけにはいかない。

■ドゥラメンテ牝馬にとっては鬼門の条件

血統面では、ドゥラメンテ産駒といえば、府中ではGI4勝を含む、重賞8勝と、コース適性の高さを見せているが、牝馬に限ると、東京芝1800mをはじめ、1400m、1600m、2000mなどの距離では、オープン以上のレースで勝つことができていない。オークスでのスターズオンアースやリバティアイランドなど、インパクトの強い馬が印象に残っているが、芝のオープン以上のレースで勝っているのは、実はこの2頭のみで、一線級の馬でなければ勝ち切れないコースなのかもしれない。

当初はヴィクトリアマイルのあと、休養に入って秋に備える予定だったが、もう一戦府中牝馬Sを使うことになったニシノティアモ。GIでの激闘から暑い時期の続戦となり、状態面も気になる材料ではある。加えて、斤量面や臨戦過程、血統面など、大きな信頼を寄せることは難しく、人気ほどの妙味はないと考え、少なくとも「頭」勝負は避けたい。

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

izukawaya