今週はサマーマイルシリーズの第2戦、第61回関屋記念(GIII、芝1600m)が新潟競馬場で行われる。
今年は、しらさぎSで久々の重賞勝ちを決めたエルトンバローズをはじめ、昨年のターコイズS覇者ドロップオブライト、今年の京都金杯を制したブエナオンダ、シンザン記念を制した唯一の3歳馬サンダーストラックなど、重賞ウイナーは7頭がエントリー。対して、上がり馬のダノンセンチュリーやアンパドゥなどが、斤量差を活かして初重賞を狙う構図だ。
そんな中、前走で復活Vを果たしたエルトンバローズが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■酷暑時期のハンデがポイントか
エルトンバローズは3歳時に毎日王冠を制覇し、4歳秋にはマイルCSで2着に入るなど、GI戦線を賑わせていた存在だったが、近走は2ケタ着順を経験するなど低迷。もう終わったかと思われたが、前走のしらさぎSで鮮やかな復活劇を演じ、約2年8カ月ぶりの白星。重賞3勝、GI2着1回など、実績を考えれば59キロのハンデは仕方ないところだが、重賞1勝のランスオブカオスやブエナオンダらが58キロを背負うことを思えば、むしろ恵まれた印象。重賞連勝でサマーマイル王者に王手をかけたいところだ。
とはいえ、やはり59キロは酷量。とくに夏の暑い時期は、少しでも軽い斤量のほうが良いに決まっている。過去10年、距離を問わず、6~8月に行われた芝のハンデ重賞を調べたところ、59キロの馬は【0.0.1.4】、58.5キロでも【0.0.1.12】と連対すら果たしておらず、この時期の重ハンデは決してプラス材料ではない。関屋記念は昨年からハンデ戦に様変わりしたため、過去10年、別定戦の時代を含めても59キロでの出走例はないが、最重量の58キロでも【0.0.0.8】と馬券に絡んだことはなく、エルトンバローズにとってはあまり歓迎できない。
また、過去10年の関屋記念では、前走GIII組が【4.6.3.63】と、最も多くの勝ち馬を輩出しているが、その前走GIIIで1~3人気だった馬が【4.2.2.11】と良績であるのに対し、6番人気以下だった馬は【0.0.0.43】とさっぱり。前走GIIIである程度人気になっていたような馬でなければ、ここでは通用しない可能性が高い。エルトンバローズは前走勝ち切ったものの、近走の不振から低評価の7番人気。これが、今回の結果に悪いほうに結びつかなければ良いのだが。
■枠順に左右?血統面に一抹の不安も…
血統面では、父ディープブリランテ産駒は、新潟でもまずまずの結果を残してはいるものの、これまでに芝で3勝クラス以上のレースでは【0.0.1.22】と連対すら果たしておらず、上級クラスになると苦戦を強いられている。新潟芝1600mに限ると、2018年10月以降、勝ち馬は輩出しておらず、あまり信頼できる血筋ではない。
また、過去10年の関屋記念で、父系のディープインパクト系は【3.1.4.34】の成績であるが、枠に左右されるところがあり、6~8枠では【3.1.2.12】と良績なのに対し、1~5枠に入ると【0.0.2.22】で連に絡まないという極端な傾向にある。エルトンバローズも、どの枠順に当たるかによって、取捨選択を決めたいところだ。
先週は、小倉記念でコレット騎手×杉山厩舎のジョバンニが、軽量のゼンダンハヤブサに敗れて2着。今週は同じコンビのエルトンバローズによるリベンジマッチとなるが、同様に軽量馬に足をすくわれないか心配ではある。斤量面や臨戦過程、血統など、プラスになる材料は乏しく、人気ほどの妙味はないと考え、少なくとも「頭」勝負は避けたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。














