佐々木誠、中村良二らセンバツ出場のプロ野球OB監督 高校野球で勝てる監督の条件

メジャーリーグを引退したイチロー(シアトル・マリナーズ会長付き特別補佐兼インストラクター)がアマチュア選手を指導するための学生資格回復研修を受けたことが話題になったのが昨年12月。今後、イチローは高校生を指導することができる。

かつて、プロ野球と高校野球の間には高い壁が存在した。教員免許を取得したうえで、10年間教師として勤務してからでないと野球部の指導に携わることができない時代もあった。

しかし、2013年に学生野球憲章が改正され、教員免許を持たない者でも、学生資格回復研修を受けることで高校野球の監督になれるようになった。

当然のことながら、プロ野球にいた者の能力は高いし、見識もある。厳しい世界で揉まれた経験は何ものにも代えがたい。いずれは、高校野球の現場に元プロ野球選手があふれるのではないかと私は思ったものだ。

だから、2017年には『プロ野球OBの高校野球監督が一番大切にしていること』という書籍の企画を考えた。

しかし、実際にはそうならなかった。その企画で取材候補に挙げた元プロ野球選手、名伯楽と呼ばれたコーチは、数年で高校野球のグラウンドから消えた

成長途中の選手にとって指導レベルが高すぎたこと、教育現場である高校野球にうまく溶け込めなかったことが主な原因だ。

≪文:元永知宏(もとながともひろ) スポーツライター≫

プロ野球OB、高校野球で勝てる監督の条件

強豪高校のスカウトは言う。

「もちろん、野球の知識も経験もある。でも、高校生のところまで下りてくることができなかった。『教えてやるから聞きにこい』という姿勢ではうまくいかない」

甲子園の常連校の監督はこう指摘する。

「引退後に苦労された方なら別ですが、プロ野球選手だからといって、心は教えられないんじゃないですか。野球の技術は教えられても、人間的なあり方だとか、相手を敬うことだとかは。人間として一番大切なことを伝えられるかどうか。プロでいくら実績があっても、それだけでは難しい」

プロ野球選手のプライドを捨てること、高校生に届く言葉を持っていること、人間的な魅力があることが求められる。

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