佐々木誠、中村良二らセンバツ出場のプロ野球OB監督 高校野球で勝てる監督の条件

 

佐々木誠、中村良二らセンバツ出場のプロ野球OB監督 高校野球で勝てる監督の条件

センバツに出場するプロ野球OB監督たち

3月19日に開幕する選抜高校野球には、3人の元プロ野球選手が監督として甲子園の土を踏む

鹿児島城西(鹿児島)の佐々木誠監督智辯和歌山(和歌山)の中谷仁監督天理(奈良)の中村良二監督だ。

南海ホークスや阪神タイガースでプレイし、プロ野球で通算1599安打を放った佐々木監督は、首位打者1回、盗塁王2回を獲得した名選手だった。

現役引退後、プロ野球や社会人野球のコーチや監督を経験したあと、2018年に高校野球の監督になった。「野球を楽しむ」「野球を好きなままで卒業させる」がモットーだ。

選手の髪型は自由、炭酸飲料やスナック菓子を解禁するなど、既成概念にとらわれない柔軟な指導法で初めての甲子園出場を勝ち取った。

智辯和歌山の中谷監督は1997年ドラフト1位で阪神タイガースに入団しながら、レギュラーはつかめなかった。プロ通算安打数はわずか28本。

現役引退後、ブルペン捕手などを経験したあと、2017年に母校のコーチに就任、2018年夏に監督になり、3季連続で甲子園出場を果たした。

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2017年夏の甲子園で天理をベスト4まで導いた中村監督は、1986年ドラフト2位で近鉄バファローズに入団。大砲として期待されたものの、一軍の壁は厚く、わずか41試合の出場、5安打、0本塁打に終わった。

1997年に阪神タイガースで現役を引退。2008年に天理大学野球部監督、2014年2月に天理高校のコーチになり、2015年8月から母校野球部の監督を務めている

中村監督は高校生の指導についてこう語る。

「プロ野球で学んだことはたくさんありました。でも、生徒との接し方、アドバイスの仕方については引退後に学びました。天理大学野球部の監督を5年半、その前に中学生のクラブチームの監督を9年しました。天理高校でも恩師の下で1年半コーチをさせてもらいました。そういう経験をして、自分なりに少しずつ指導できるようになってきたのかなと思います」

高校野球では、トップ選手であっても技術や体力がまだまだ足りない。指導者からすると、教える難しさもやりがいもある。

「プロの技術を高校生に教えるのは難しい。体力的にも違いますし、理解力もまだ足りません。だから、ひとつできたらその次のレベルに行けるように、少しずつステップアップできるようにと考えています

元プロ野球選手という経歴を持ちながらも、謙虚な苦労人――プロ野球を引退したあとにさまざまな経験をした3人の監督がセンバツを盛り上げる

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著者プロフィール

元永知宏(もとながともひろ):スポーツライター

1968年、愛媛県生まれ。立教大学野球部4年時に、23年ぶりの東京六大学リーグ優勝を経験。大学卒業後、ぴあ、KADOKAWAなど出版社勤務を経て独立。

著書に『期待はずれのドラフト1位』『レギュラーになれないきみへ』(岩波ジュニア新書)、『殴られて野球はうまくなる!?』(講談社+α文庫)、『荒木大輔のいた1980年の甲子園』『近鉄魂とはなんだったのか?』(集英社)、『プロ野球を選ばなかった怪物たち』『野球と暴力』(イースト・プレス)など。

愛媛のスポーツマガジン『E-dge』の編集長もつとめている。

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