さらなる飛躍のためのチャレンジ
「もう1年もないですが、東京五輪に対応できる準備をしていきたいです」
このままでは東京五輪で勝負にならないと、より高度な練習に取り組んだ。使えていなかった筋肉があったといい、それを強化するためのチャレンジだった。
しかし、その改造が祟ったのか、右太ももに軽い肉離れを発症してしまった。それでも鈴木選手の表情は明るく前向きだ。
「とてもいい経験でした。今回のマラソン代表選考は公平性が取れていて、MGCも本番さながらの緊張感がありました。その中でマラソンの怖さを知ったり、次の課題が見えてきました。すべて次につながるものでした」
新たな五輪選考レースの激闘を通して女子マラソン全体の底上げにつながったことも感じているという。
「すごく刺激を受けたし、やればできるんだという勇気をもらいました。ここで得られた経験を本番につなげるのが私の使命です」と決意を語る。
今後は合宿を経て、マラソンハーフを1レース、練習の一環として走る計画だ。7月には集中力を高め、8月の本番に合わせていく。
しっかりと自分の力が出せるレースを
この日は、1964年の東京五輪男子マラソンで銅メダルを獲得した円谷幸吉氏の墓前で手を合わせた。前日には円谷氏とともにレースを走った君原健二氏や寺沢徹氏からも当時の貴重な話を聞いたという。
「レース前の準備など、生でしか聞けない話を聞いて刺激を受けました。円谷さんの忍耐力、精神力を感じて、より覚悟ができた」
とりわけ、五輪では自己ベストがなかなか出せないという話に聞き入った。鈴木選手自身も今は不安な状態ではあると認めた上で、自己ベストを出せる準備を怠らないようにと気を引き締めた。
「しっかりと自分の力が出せるレースを。本番はやるだけです」
故障はあったものの身体の回復は順調だと言い切る。それでも今は慎重に練習をこなしている。
「本番はかなりのスピードが予想されます。地元開催の重圧、暑さ対策。しっかりと対策を練って臨みたいです」
東京五輪の女子マラソンは8月8日。舞台は北海道札幌市。鈴木選手は改めて東京五輪マラソンでの活躍を誓った。
≪山口和幸≫
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