【NPB】契約更改で保留者続出 中日のビジョン問題について考える

■福谷が球団に「ビジョンはありますか?」と質問をするも衝撃の返答が…

プロ野球各球団において契約更改が進む折、中日ドラゴンズは26日、ナゴヤ球場に隣接する選手寮で同交渉を行ったものの、今シーズン正捕手級の活躍を見せた木下拓哉が保留。これがきっかけで27日には最優秀中継ぎのタイトルを獲得した福敬登や今季8勝を挙げた福谷浩司による保留が続出した。

特に問題になった点は、福谷の「ビジョンはありますか?」の質問に対して球団側による「ビジョンはない」との返答。球団のトップが「ビジョンがない」と言ってしまってはチームの方針がまとまらず、監督や選手、球団関係者がどこを目指せばいいかわからなくなってしまうだろう。

■支配下と育成を育て、黄金期を築くソフトバンク

いち中日ファンの私からすると、例えばソフトバンクは、そのビジョンに沿った育成が成功しているように見える。育成から戦力になる選手に育てるのが得意で今シーズン投手3冠の千賀滉大や2冠の石川柊太、盗塁王の周東佑京甲斐拓也と数多くの選手が活躍。柳田悠岐松田宣浩中村晃森唯斗などドラフト上位選手との融合により、日本一4連覇を成し遂げた。今後も次世代に向けた育成に力を注いで行くだろうことは想像に難くない。

現在の中日は今季、沢村賞を獲得した大野雄大が32歳、2020年9月9日に通算1000安打を達成した平田良介が32歳、今季最多安打のタイトルを獲得した大島洋平が35歳と世代交代を余儀なくされている。そこで、投手は2020年ドラフト1位中京大中京の高橋宏斗を筆頭に次世代の絶対的エースを、打者では2018年、2019年にそれぞれドラフト1位指名した根尾昂石川昂弥を中心にした育成を望みたい。若手が活躍できるようにチャンスを与えることで、試合に集中できる環境を作って欲しい。そのためにビジョンは必要だ。

■中日のビジョンとは一体何か?

今シーズンは新型コロナウイルスの影響もあり、ファンが球場に足を運べない日が続いた。選手はファンの歓声を聞けず、難しいシーズンだったと思う。だからこそ、球団はファンを大切にして欲しい。

かつて、落合博満元監督が「勝つことが最大のファンサービス」と発言していた。当時は相当批判されたが、今になってみればその通りと答える人が何人いるだろうか。私も勝利を届けることが一番のファンサービスだと考える。球場に行く理由は人それぞれある。しかし、負けるより勝つ方が嬉しいはず。私も何度も経験しているが、勝って帰るのと負けて帰るのと気分は天と地の差だ。

いちファンとしてこう考察すると、球団には少なくとも「1勝の大切さを噛み締め、勝利をファンに届ける」ぐらいのビジョンを明示して欲しいものだ。

今後、勝利をファンに届けるために、選手とコミュニケーションを密に取り、モチベーションを上げる査定をして欲しい。その程度の方針は、しっかり打ち立て、球団運営に邁進してもらいたい。いち中日ファンの切なる願いである。

■著者プロフィール

蛭間和也(ひるまかずや)●アスリートの素顔を伝えるメディア『SPREAD』編集部員
AI・ITコンサルティングを経て「世界中の1人でも多くの人にスポーツを好きになってもらう」という志で現職に。好きなプロスポーツチームは野球は中日ドラゴンズ、サッカーはガンバ大阪とアーセナル。
データ分析をもとにデータ+選手のエピソードをテーマにした記事を配信していくつもり。愛称は「ヒルマン」。

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