【競馬】チャンピオンズC “中4週”のクリソベリルら、有力馬追い切りジャッジ&狙える穴馬プラスワン!

世紀の一戦と言えた「ジャパンC」は3冠馬3頭が人気通りに入線。静に徹した調整でラストランを迎えたアーモンドアイが、若き3冠馬2頭に身をもって王者の走りとはなにか?を伝えんばかりに抜け出し快勝という、感動的なフィニッシュでしたね。ちなみに先週「プラスワン!」としてピックアップしたカレンブーケドールは3強に肉薄する4着と頑張ってくれました。

さて今週は砂の王者決定戦「チャンピオンズC」。この一戦の有力馬について、中間調整と最終追い切りのジャッジをお届けします。最後には「プラスワン」として調整面から狙える穴馬もご紹介。

みなさまの重賞攻略のお役に立てば幸いです。どうぞご参考になさってください。

■クリソベリル

【中間調整】帰国後2戦目とあって、帝王賞より攻めを若干強化して臨んだ前走・JBCクラシック。好位から抜け出す盤石の取り口から“国内無敗”続行となる勝利を収めた。同じ大井二千の帝王賞から時計を0秒8縮めており、4歳秋にして更なる地力強化か。その後連覇が掛かるチャンピオンズC進出は当初の予定通り。短期放牧を挟み11月19日に帰厩後の初時計だったが、ここで自己ベストにコンマ1秒まで迫る栗東坂路51秒4を叩き出すのだから恐れ入る。その後はもう全体的な負荷は求めず反応やバランス調整など、ブラッシュアップに専念できたのは好感。

【最終追い切り】川田騎手を背に、栗東坂路で同じレースに出走する僚馬サンライズノヴァと最終スパーリング。3馬身ほど相手を先に行かせ伸び伸びとしたフットワークで僚馬との差を詰める。前脚を柔軟に使って大きく前に出し、そこから深くかき込むいつも通りの動き。最後は僚馬に半馬身ほど前に出られたが、余裕を十分に保っており問題はないだろう。ただし、全体時計は陣営の想定より遅い4F54秒0(馬なり)だった。

【見解】昨年は日本テレビ盃快勝から中9週でこのレースに挑み、古馬の強豪を撃破。今回は中4週とこの馬としては異例の短いレース間隔となる(これまでの最短は、2019年3月2日条件戦⇒同5月2日兵庫CSの中8週)。帰厩後さっそく速い時計を出せたので、短い間隔を考慮しその後“強化”ではなく“維持”に主眼を切り替えたようだ。これまでにない調整パターンとあって、ややチグハグさが感じられるのは否めない。水曜の最終追いも思ったほどの全体時計にならず、12月4日金曜に急遽追加で坂路15-15を重ねている。能力断然だけに気にしなくていいレベルとも思えるが、万全とまでは言い切れない。

総合評価「B」

■カフェファラオ

【中間調整】断然人気を裏切ってJDDで大敗したが、そこから見事に立て直し、かつ続戦を意識して余力を持たせた仕上げだったシリウスSを着差(3/4馬身)以上の強さで勝利。その後だが賞金的にチャンピオンズC進出が微妙なラインだったため、武蔵野S出走も織り込みつつ放牧に出さず在厩で調整された。両方の可能性を考えながらの調整で少なからず難しさはあったはずだが、そこは名門・堀厩舎。絶妙なペース配分で馬に刺激と休息を与えつつ、メンテナンスを続ける。賞金的にシリウスSからチャンピオンズCへの直行と決まってからは併せ馬を再開し、GI仕様の仕上げに取り組んできた。1週前は長めスタートで追われたが、楽に抜け出し最後に気を抜く余裕さえ。そこでそれを許さず、再度気合いを入れることができたあたり体調面も精神面も上々の域にあるからこそだろう。

【最終追い切り】堀厩舎お得意の木曜追い。ウッドで後方からの2歳馬を迎撃する格好で、タイトにコーナーを回ると更にインを突いてきた相手をいったん受け流し先に行かせる。そこから慌てず騒がず、滑らかにギアを上げると盛り返して併入に持ち込んだ。時計に派手さはないものの、非常にレベルの高い内容。馬体のボリュームも迫力満点に見せ、申し分のない最終追いだった。

【見解】武蔵野Sをいったん視野に入れ、結局パスという経緯はあったもののその結果間隔がしっかり取れたことは吉と出たのでは。大敗に終わったJDDが中2週だったこともあり、放牧にしろ在厩にしろいったんリセット、やはり回復、気合い注入というステップを踏めたほうがいいだろう。2週前はややバタついたが、先週今週の動きは豪快そのもの。古馬GIを走るにあたって、なんら文句のつけようがない仕上がり。

総合評価「A」

■チュウワウィザード

【中間調整】これまで3着に入れなかったのは昨年のチャンピオンズC4着だけという、超のつく堅実派。体調、調子の波が少なく調整しやすい馬なのでその分調整ペースの変化から状態の変化を見極めるのも難しいが……この中間はひと味違う。帝王賞から4カ月ぶりにJBCを使ってチャンピオンズCへというローテは昨年とまったく同一ながら、1週前のコース追いでこれまでにないレベルで攻め込まれている。ドバイで走らなかった分、余力が残っており攻める余地があったということか。その1週前追いでは重心をグッと沈め、オープン馬に追走先着した。これまでは併せ馬では遅れか、せいぜい併入がやっとという馬。きっちり先着するというのは相当久しぶりのことだ。

【最終追い切り】栗東坂路併せ馬。3歳1勝クラスを追う格好で、アオられたほうはさすがにワタワタしていたがチュウワは我関せずといった堂々とした雰囲気。相手を完全に見下ろし、いい手応えを保って併入に持ち込んだ。この日も重心は低く、精神面の状況はかなり良さそう。

【見解】昨年とまったく同じローテで調整できているのは何よりだ。そして調整で見せている集中力、気迫といったものは明らかに昨年以上。勝ち負けを意識できる状態と言っていい。

総合評価「A」

■プラスワン! アルクトス

【中間調整】前走の交流GI・南部杯をレコード勝ち。東北への遠征でもあり、反動が気になるところだったが短期放牧明けからの動きはそれをまったく感じさせない。調整方法にメリハリをつけるなどして取り組んできた体質強化策の賜物か。帰厩2本目のウッドコース追いで素軽く動くと、2週前のB(ダート)コース追いで6F80秒を切る数字をお釣り残しでマークした。反動どころか、充実一途といった感。やれば時計は出るタイプだが、1週前の坂路では4F51秒6(強め)の好時計で、走る気満々といったところだ。

【最終追い切り】気合いが乗り過ぎるのを避け、田辺騎手ではなく原田騎手を背に美浦坂路で併せ馬。前後に馬を置く3頭併せだったが、ラップが速く後続の馬が千切れたほどだった。結局2頭併せとなり、稽古駆けする準オープン馬と楽々追走併入。手応えは先週より楽だったのに、時計は更に縮まって4F51秒1(馬なり)だった。

【見解】陣営一丸となっての体質改善策が結実しつつあるようで、以前のひ弱な雰囲気は一切感じられない。中8週からの中7週と開きすぎず、詰まり過ぎず、理想的なローテをきっちり逆算して迎える一戦。時計が示すように最高潮のデキで臨めそう。

総合評価「S」

著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター

競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

【競馬】チャンピオンズC クリソベリルから“ヒモ荒れ”を狙うのが正解

【競馬】チャンピオンズカップ クリソベリルにのしかかる【0-3-1-35】を川田将雅はどう克服する?

【競馬】チャンピオンズC GI2番人気の『ルメール騎手』は買いか?切りか?


この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします