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【ゴルフ】宮里藍サントリーレディース逆転Vの青木瀬令奈、世代交代の波を振り切った“忍耐力”

【ゴルフ】宮里藍サントリーレディース逆転Vの青木瀬令奈、世代交代の波を振り切った“忍耐力”
(C)Getty Images

女子ゴルフの国内ツアー『宮里藍・サントリーレディース』は13日、兵庫・六甲国際GC(6517ヤード、パー72)で最終日が行われた。首位と4打差の2位でスタートした青木瀬令奈が5バーディー、ボギーなしの67で回り、通算17アンダーで逆転優勝を飾った。

2017年『ヨネックスレディース』以来となるツアー通算2勝目で、上位2選手に与えられる海外メジャー「AIG全英女子オープン」(8月19~22日)の出場資格を獲得した。

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■「やっと優勝したと言える」と思わず涙

2位につけているとはいえ、青木の形勢不利は否めなかった。3日目を終えて首位に立っていたのは、今年5勝と絶好調の稲見萌寧。しかも、稲見は最終日を首位で迎えた試合はこれまで全勝で、さらに今大会は前日までノーボギーという安定感を誇っていた。

青木、稲見に木村彩子を加えた最終組は、3人とも序盤からパーを続けた。緊張感漂う展開の中、青木は「萌寧ちゃんも人間。ミスはある」と自分に言い聞かせ、チャンスをうかがっていた。

すると、5番でバーディーを決めてスコアを動かすと、6、8番でもバーディーを奪い、稲見に迫った。目前でプレーする青木の猛追に焦ったわけではないだろうが、稲見は9番で今大会初のボギーを叩いてしまった。

流れを一気に引き寄せた青木は、11番でスコアを落とした稲見をついに逆転。さらにパー3の16番でバーディーを奪い単独首位に立つと、そのまま逃げ切った。

4年前に初優勝した『ヨネックスレディース』は悪天候のため、2日間36ホールに短縮された。「3日間でないと優勝とは言えない」という声も耳に入ってきたそうだが、3日間よりもタフな4日間競技を制し、優勝インタビューでは「やっと優勝したと言える」と涙をぬぐった。

■飛距離が出なくても勝てるゴルフを

28歳の青木が優勝から遠ざかっていた4年の間に女子ゴルフ界は様変わりした。今大会でも21歳の稲見、19歳の山下美夢有西郷真央が2位に入ったように、「黄金世代」「ミレニアム世代」「新世紀世代」と若手の躍進が著しい。

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年齢以外の部分に目をやっても、例えば青木のドライバー平均飛距離は218.03ヤードで部門別ランキング89位だが、『全米女子オープン』を制した1位の笹生優花は262.00ヤード、2位の原英利花は258.06ヤードとなっており、その差は明らか。米女子ツアーなどは「すでに280ヤード時代に突入した」と言われており、活躍する選手の低年齢化とともに飛距離アップも確実に進んでいる。

そういう時代にあって青木が優勝した意味は大きい。本人は「引退が頭をよぎった」こともあったそうだが、先日の『パナソニックオープンレディース』で34歳の上田桃子が2年ぶりに優勝した例をひくまでもなく、28歳はまだまだ戦える。不振に苦しみながらも努力を重ねる姿やラウンド中の落ち着いたプレーぶりは若手の見本となるはずだ。

また、パク・インビ(韓国)のようにドライバー平均飛距離が米ツアー135位ながら、ショットの精度を武器にメジャー7勝を挙げている選手もおり、飛距離不足をカバーすることもできる。

世代間優勝争い”に待ったをかけた青木。若手たちの越えるべき大きな目標となってくれるだろう。

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文・SPREAD編集部