■第2戦、アイルランドとのシーソーゲームを落とす
第2戦の対戦相手は、静岡のエコパスタジアムで19-12と下し日本中が熱狂したアイルランド。あのラストシーンを忘れられないという人も多いだろう。
ワールドランキングでは、もちろんアイルランドが上位だが、BIライオンズに7名が選出されたうえ、ジョナサン・セクストン(SO)ら主力級が休養中。エコパの再現を期待して、7月3日、ダブリンのアビバスタジアムに乗り込んだ。
試合は開始早々に田村優がPGを決めて、ジャパンが先制。以降、両軍が点を取り合うシーソーゲームとなった。この試合で輝いたのは、背番号9をつけてピッチに立った斎藤直人。素早い球出しでゲームをコントロールし、後半17分には代表での初トライをマークした。
両ウイングは、ともに今回の遠征が代表デビューのシオサイア・フィフィタとセミシ・マシレワの近鉄ライナーズ・コンビ。フィフィタが体力を生かした突進力をアピールすると、マシレワはハイボールのキャッチや細かいステップでテクニックを披露した。フィフィタが逆サイドまでポジションを移動してパスをつなぐ連携も効果的だった。
試合はフルバックで出場していた松島幸太朗のケガが響き、31-39と競り負けた。姫野がケガのため欠場、ベンチにも入れなかったのも痛かった。試合後、キャプテンのリーチ・マイケルは「勝てる試合に負けてしまった」と悔しさをにじませた。
■若いメンバーの活躍に期待したい
2試合の戦いをみて、メンバーの新陳代謝が必要と感じた。リーチ、田村、稲垣など、チームの中心は前回大会の主力選手ばかり。BIライオンズ戦は先発15人中14人が2019年を経験した選手で、9人が30歳以上だった。こう言っては失礼だが、新鮮味に欠ける。
今回、通用することを証明した斎藤、フィフィタ、マシレワなど、フレッシュな戦力を積極的に使って、チームに活気を注入したい。特に斎藤は、フランスチームのカンフル剤となったアントワン・デュポンのような存在になりえる。
田村、松田力也を脅かすSOの登場も必須だろう。姫野、松島がワールドレベルにあることは今回も再確認できた。両エースと若いメンバーで作るチームで、再び感動を味わいたい。
最後に、2試合を通じて見せたアイルランド、スコットランドの執念について触れたい。この両チームは前回WCでジャパンと同じプールに入り、ともに苦杯を舐めた。特にアイルランドは12-19のビハインドからボーナスポイントを取るために自らボールを蹴り出してゲームを終わらせる「ギブアップ負け」だった。これは大変な屈辱だろう。
2015年にジャパンに敗れた南アフリカが、WC準々決勝で完璧なリベンジを果たしたように、北半球の2チームもジャパンに対しては並々ならぬ闘志を燃やしているはずだ。ジャパンは再びエディンバラに乗り込んで11月20日にスコットランドと対戦する。新生ジャパンを機能させないと、厳しい結果になる恐れもある。
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著者プロフィール
牧野森太郎●フリーライター
ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。









