【MLB】筒香嘉智、移籍後に“課題克服”の兆し データが物語る打撃の変化

 

【MLB】筒香嘉智、移籍後に“課題克服”の兆し データが物語る打撃の変化
パイレーツ・筒香嘉智(左)(C)ロイター

ピッツバーグ・パイレーツ筒香嘉智外野手は25日(日本時間26日)、本拠地で行われたアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦に3試合ぶりの「4番・一塁」でスタメン出場。2打数無安打1四球で、6回の守備からベンチに退いた。

この日は無安打であったが、パイレーツ加入後の筒香はここまで20打数6安打、打率.300を記録。6安打中、長打が5本(本塁打3、二塁打2)、OPS1.183と、打数こそまだ少ないが持ち味のパワーを発揮中だ。また、ナ・リーグ西地区で最下位と苦しむチームも、筒香が今季1号を放った20日(同21日)のカージナルス戦以降は2カード連続で勝ち越すなど、筒香加入が起爆剤となって上昇ムードに転じている。

◆【実際の映像】「ようこそヨシ」とボードを掲げた地元ファンも大興奮 筒香嘉智、苦手の内角速球を完璧に捉えてライトへ弾丸3号本塁打

■課題だった速球への対応力が向上

タンパベイ・レイズロサンゼルス・ドジャースと渡り歩くも、開幕から不振に陥っていた筒香が、なぜ好結果を生むようになったのか。その理由は、課題とされてきた「速球への対応」が実を結んでいるからだろう。

筒香は日本でプレーしていた時も「速球」への対応には課題を抱えており、本塁打と打点の2冠に輝いた16年でさえ、150キロ以上の打率は1割台。メジャー1年目の昨季は、93マイル(約150キロ)以上のボールに対する打率は.095(42打数4安打)に終わり、今季もレイズ、ドジャース在籍時は.235(34打数8安打)と、大きく数字を伸ばすことはできなかった。

しかしパイレーツ移籍後、4シームに対しては8打数3安打2本塁打、打率.375をマークしている。93マイル以上に限定しても6打数3安打で打率.500と、打数こそまだ少ないが、速球への適応力は確実に向上。パイレーツ加入直前までドジャース傘下3Aでプレーしていたが、8月は10試合で打率.387、2本塁打、11打点の好成績を残しており、マイナーで取り戻した自信が新天地でも生かされている。

■左右を問わず、広角に打てる打撃が復活

またレイズ、ドジャース在籍時の右投手への打率は.171、左投手が.111だったのに対し、パイレーツ移籍後は右投手.364、左投手.222と、こちらも数字は上向きつつある。

16日に、移籍後初戦の古巣ドジャース戦に代打で登場。右腕・ジャンセンと対戦し、95.8マイル(約154キロ)のシンカーにバットを合わせ、レフト線へ二塁打を放ったのを皮切りに、21日のカージナルス戦では左腕ハップからバックスクリーン右に運ぶ131メートル弾。23日のダイヤモンドバックス戦では、右腕クラークの95.7マイルの速球を、弾丸ライナーで右翼席へ運ぶ3号代打本塁打を放つなど、速球への対応もさることながら、左腕右腕を問わず、広角へ運ぶ打撃が復活してきたと言えるだろう。

現状は、スタメンもあればベンチスタートもあり、その起用法はまだまだ流動的だが、苦手を克服しつつある筒香なら、レギュラー定着は時間の問題。メジャー3球団目で、ようやくブレークする予感が漂っている。

Advertisement


◆「パワーをもたらす可能性」筒香嘉智、新天地で二塁打デビュー 指揮官や地元メディアは打撃力に期待

◆「ピッツバーグへようこそ」筒香嘉智、本拠地ファン熱狂の代打本塁打 直近4戦3発と絶好調

◆筒香嘉智、2戦連発弾に適時打「終盤の逆襲」なるか「なんてパワーヒッターだ」と実況も絶賛 

スクロールすると広告の後にコンテンツが続きます

文・SPREAD編集部