【MLB】エンゼルスは大谷翔平の「勝ちたい」に応えるのか 数字で見た課題と補強ポイント

エンゼルス・大谷翔平(C)Getty Images

ロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平投手は今季、打者として46本塁打、100打点、103得点、26盗塁、投手として、23試合に先発しチームトップの9勝を挙げ、防御率3.18と安定した投球を披露。オフに入ってからは、コミッショナー表彰を始め、数々の「賞レース」で栄冠を手にしているものの、9月26(日本時間27日)に先発登板したシアトル・マリナーズ戦後に「球団は好きだが、それ以上に勝ちたい」ととチームに補強を要望するようなコメントを残し波紋を呼んだのは記憶に新しい。

日米で活躍するコラムニスト、ロバート・ホワイティング氏は「大谷はエンゼルスを出るべきだ」との論調の記事まで発表する始末。つまり、エンゼルスが本気で補強に乗り出さなければ、これほどの選手の活躍を10月以降、目にすることができない点を機会損失と嘆いている。果たして、エンゼルスの大補強はあるのか。

今季のフリー・エージェントFA)では、マックス・シャーザーロサンゼルス・ドジャース)、ジャスティン・バーランダーヒューストン・アストロズ)など目玉の選手が多い。ここでは、エンゼルスの成績を振り返りつつ、獲得すべき選手について、考察した。

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■先発はコマ不足、“炎上”が日常茶飯事のブルペン

まずはエンゼルスの投手陣から振り返る。

今季の大谷はチームトップの9勝を挙げるなどエース級の活躍を見せた。一方で、エンゼルスのチーム防御率は「4.67」とア・リーグで16チーム中12位と低迷した。先発ローテーションの一角を担ったホセ・スアレスアレックス・コブは8勝止まり。2016年と2017年に2年連続で2桁勝利を記録するなど経験豊富なディラン・バンディは2勝と期待を裏切る形になってしまった。大谷を含めて規定投球回数と2桁勝利を達成した投手は「0」と厳しいシーズンとなった。

中継ぎ陣では、2020年のシーズンオフにトレードで獲得したライセル・イグレシアスがクローザーとして活躍。65試合に登板し、34セーブで防御率2.57とチームを支えた。リードしている場面で登板することが多かったスティーブ・シーシェク(74試合登板で3.42)、マイク・メイヤーズ(72登板で3.84)の二人は防御率3点台ながら、大谷の勝ち星を2度消すなど打ちこまれるシーンも多かった。7月28日(同29日)のコロラド・ロッキーズ戦後には、「ジ・アスレチック」のブラム氏が「ブルペンの補強なしで勝ち続けることは難しい」とツイートするなどシーズンから中継ぎ陣が課題だった。

投手陣が苦しむ中、ルーキーのオースティン・ウォーレンが来シーズンに向けて好投。メジャーデビュー戦となった7月29日(同30日)のオークランド・アスレチックス戦で7回2死満塁の場面で初登板し、ピンチを凌いだ。今季は16試合に登板して3勝0敗1セーブで防御率は1.77と活躍した。試合数は少ないが、防御率3点台後半以上の投手が多い中で、1.77は見事な数字だ。

■トラウトとアップトンの復活は必須

打撃でも、大谷がシーズン通して打線を牽引した。155試合に出場し、46本塁打、100打点、103得点、26盗塁と大車輪の活躍で、選手間投票よる年間最優秀選手とリーグ最優秀野手に選出されるなど10月だけで驚異の7冠の表彰。シーズンオフでも「賞タイム」が止まらない。

シーズン終盤は調子を落としたものの、26試合連続安打(球団記録はギャレット・アンダーソンの28試合)をマークしたデビッド・フレッチャー、29本塁打などキャリアハイの成績を残したジャレド・ウォルシュなどが台頭したシーズンとなった。

誤算だったのが、2019年に45本塁打、104打点と圧倒的な成績で最優秀選手(自身3度目)を受賞したマイク・トラウトが右ふくらはぎの故障で36試合に出場に終わったこと。そして2014年と2017年に100打点以上記録しているジャスティン・アップトンの不振だ。シーズン途中に本塁打を記録しているアルバート・プホルスを戦力外としたのは裏目に出た。先発投手陣を援護できないことが多かっただけに、トラウトとアップトンが本来の打撃が戻れば、より打線について懸念は消える。

■投手陣の整備は絶対条件

来シーズン、エンゼルスが躍進するためには課題である投手陣の補強が必須だ。2021年シーズンオフ、FA市場に出回る選手の中から、エンゼルスにとって補強となる投手をピックアップした。

【先発候補】

●マックス・シャーザー(ロサンゼルス・ドジャース)

今季30試合に先発して15勝4敗、236奪三振、防御率2.46など圧倒的な成績を残した。過去にもサイ・ヤング賞を3度受賞しており、実績も十分。今のエンゼルスなら、喉から手が出るほど欲しいはず。

●ケビン・ガウスマン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)

今シーズン、14勝で防御率2.81、投球回192回とチームトップの成績を残した。150キロ台のフォーシーム、スプリッド、スライダーで三振を奪うことができ、今季は投球回数を超える227奪三振を記録。

●ジャスティン・バーランダー(ヒューストン・アストロズ)

トミー・ジョン手術により今季の出場はなし。2019年には、21勝で防御率2.58と安定した成績をマークし、サイ・ヤング賞に選出されている。通算226勝と本来の投球ができれば、エンゼルスの投手陣にとって大きな力になる。

●クレイトン・カーショー(ロサンゼルス・ドジャース)

今季2年ぶりに2桁勝利を達成した。通算3度のサイ・ヤング賞を受賞するなど長年ドジャースを支えてきた。チーム残留の可能性が高いとされるが、通算185勝の左腕はFA市場の目玉。

【リリーフ陣】

●ケンリー・ジャンセン(ロサンゼルス・ドジャース)

2012年から今季までドジャースのクローザーとして君臨している。今シーズンも69試合に登板して38セーブ、防御率2.22など安定した投球を披露。エンゼルスはイグレシアスがFAの対象となっており、移籍する可能性があるため、是が非でも獲得したい投手の一人だ。

●アーロン・ループ

今シーズン、65試合に登板して6勝0敗で防御率0.95と抜群の安定感を誇った。FA市場に左のリリーフが少ないだけに、ターゲットになるか注目。

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文・SPREAD編集部


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