【プロ野球】引き分けを挟む10連敗の巨人が、CSファーストステージで勝ち上がった要因は……

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■第2戦の勝負を分けたのは内野守備の乱れ

翌7日の第2戦先発は、阪神・青柳晃洋と巨人・髙橋優だった。両チームともキャッチャーを替え、タイガースは前日の坂本誠志郎から梅野隆太郎に、ジャイアンツは小林から大城卓三にスイッチ。阪神は投手5人を、巨人は投手8人をつぎ込む総力戦となった。

前日、代打コールで大歓声が上がった大山と佐藤輝を、矢野監督はやはりスタメンに入れてきた。佐藤輝がさっそく結果を出す。2回裏の一死二塁、ストレートのキレがいまいちな髙橋優から145キロの内角直球を、左中間にタイムリーヒット。さらに近本のヒットで、髙橋優は降板。続く高木京介から中野がツーアウト1、3塁でレフトへのタイムリー。ジャイアンツファンが言うのもおかしいが、これでこそ今年の強い阪神打線だと感じた。

短期決戦で怖いのが内野のちょっとしたエラーだ。3回表の吉川尚輝の打席、2ストライクまで青柳の投球は完璧だった。3球目、ショート中野のファンブルで吉川が出塁すると、続く大城はライト前にヒット。ここで原監督は高木に代えて、代打・八百板を送る。記事の冒頭で記した9月15日のDeNA戦でも、9回裏にヒットを放ち、「原監督の勘ピューターはまだ壊れてはいなかった」と思わせた代打起用だった。

4球目、真ん中低めに入った142キロのツーシームを八百板がライト前へヒット。ノーアウト満塁で松原、初球をレフト前へタイムリー。ジャイアンツは1点先制する。

若林がピッチャーゴロ、坂本勇が青柳のクイックで投げた外角のスライダーで三振すると、ツーアウト満塁で「逆シリーズ男」にならずに好調な四番・丸が登場する。2球目、外から内側に入ってきたスライダーをライト前に逆転2点タイムリー。決して悪くはなかった青柳がここで降板した。阪神は伊藤将司に継投。亀井が四球を選び満塁とするも、巨人の追加点はならなかった。

神2-3巨となり、以降は互いに拙攻が続いた。阪神はチャンスで初球を打ち上げ、フライアウトになることが3回あった。3回裏の梅野、4回裏の代打・糸井と糸原がそうだ。また6回裏の二死満塁、マルテが好機を活かせずサードゴロ。7回裏には6番手のデラロサに三者凡退した。

一方ジャイアンツも4回表で3番手投手の戸郷がスリーバント失敗、5、6回表はタイガースのアルカンタラに三者凡退。チャンスが訪れたのは、8回表だった。

投手はイニングまたぎの4人目、岩崎。サード大山のファンブルで、坂本勇が出塁すると、丸が初球で三塁線上の絶妙なセーフティバントを決める。大山は投げられず、ノーアウト1、2塁。亀井がバントを3球目で決め、阪神はスアレス、坂本誠とバッテリーごと代えて、ウィーラーを迎える。高めの初球は、センター近本の頭を超えそうな当たり。これが犠牲フライとなり、ジャイアンツは1点追加。神2-4巨となり、勝負は決した。

阪神の勝負を分けたのは、二度の内野のファンブルからの失点、そして三度訪れたチャンスでの初球フライアウトだった。一方ジャイアンツは二戦で小林、戸郷がバントを失敗したものの、ウィーラー、丸、亀井の主力がバントを決め、いずれも得点に結びついた。

10日からジャイアンツは、神宮球場で東京ヤクルトスワローズとのクライマックスシリーズ ファイナルステージが始まる。デラロサ、中川など勝ちゲームで後ろの回を任せられる投手の好調が確認できた。乱調気味だったビエイラも、2試合ともピンチを迎えながらも9回裏を抑えられた。シーズン終盤に日替わりラッキーボーイが次々と誕生したスワローズに対し、ジャイアンツは虎の子のラッキーボーイ、八百板のここぞの起用に期待したい。そして岡本の復帰を座して待つ。

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著者プロフィール

横山由希路(よこやま・ゆきじ)●フリーライター・編集者
ぴあでの編集職等を経て、独立。広瀬宏之『「ウチの子、発達障害かも?」と思ったら最初に読む本』(永岡書店)の構成や書籍編集の他、News Picks、宣伝会議、Yahoo!ライフマガジン等でも執筆。得意ジャンルはプロ野球、介護、演劇、音楽、台湾等。


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