【マイルCS/危険な人気馬-前編】2強の一角は“消し” 世代交代が謳われるマイル戦で「買うべきではない」1頭とは

今週は阪神競馬場で第38回・マイルCS(GI、芝1600m)が行われる。マイルGI4勝を挙げ、ディフェンディングチャンピオンとして連覇に挑むグランアレグリア、前走毎日王冠で古馬を撃破した3歳馬シュネルマイスター、19年の覇者インディチャンプ、昨年の朝日杯FSの勝ち馬グレナディアガーズなど豪華メンバーが出走予定だ。

ここではマイルCSの好走条件と想定メンバーから展開を読み解き、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」としてシュネルマイスターを取り上げたい。

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■安田記念覇者を撃破した衝撃の毎日王冠

まずはシュネルマイスターの前走毎日王冠について分析する。

安田記念3着から夏休養を挟み、プラス8キロの馬体重で挑んだシュネルマイスター。ゲートの出は相変わらず悪く、後方3番手付近で競馬を進め、ダノンキングリー、ヴァンドギャルドら差し馬を見る形で折り合っていた。直線コースに入ると内から外目に進路変更し、ヴェロックスと併せながら脚を伸ばし続けて先に抜け出していたダノンキングリー、ポタジェを差し切り勝利。安田記念覇者をまったく相手にしなかった「3歳馬離れ」した末脚には衝撃を受けた。

これまでの戦歴からも「世代トップクラスのスピード能力を保持し、馬場条件問わず差し脚を自在に操れる」と評価できるだろう。また、安田記念で3着、毎日王冠で安田記念馬を下し勝利したことで黄金世代と謳われる3歳世代のナンバーワンマイラーに昇りつめたシュネルマイスター。

しかし、今回はデビュー以来経験したことのない関西圏の競馬開催であり、GIで致命傷になりかねないゲート難の問題などさまざまなな課題があるシュネルマイスターに一抹の不安が残る。

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■3年連続で3歳馬が上がり最速をマーク

次にマイルCSの3歳馬の成績について紹介する。

過去10年、3歳馬のマイルCS出走成績は【2-0-1-32】となっており、馬券内に好走したのは2018年1着のステルヴィオ、17年1着ペルシアンナイト・3着サングレーザーのわずか3頭しか好走できておらず、苦戦傾向にある。

さらに直近3年における3歳馬の上がりタイムについて分析すると、・2020年上がり1位・サリオス(2人気5着)、・2019年上がり1位・カテドラル(13人気6着)、・2018年上がり1位・カツジ(16人気4着)となっており、3年連続で3歳馬が後方からキレのある末脚を繰り出し「上がり最速」をマークしている。

この要因として大きく3つ考えられる。

・古馬との斤量差がある
・ゲート慣れしておらず、テンに置かれるため末脚が溜まりやすい
・レース経験が少なく脚質に縛りがある

しかし、上がり最速を叩き出した3歳馬は掲示板に入るのが精一杯といった結果になっており、マイルCSというレース自体も上がり最速馬の成績が【2-1-1-9】と振るわないのだ。今年の3歳馬はシュネルマイスター、ダノンザキッド、ホウオウアマゾン、リプレーザ、グレナディアガーズの5頭が出走するが、今年も3歳馬が上がり最速をマークすると仮定した場合、必然的にデビュー以降上がり最速を3度マークしているシュネルマイスターが有力候補となってしまう。

つまり、ゲートの出が悪く後方からの競馬になり、「折り合いに専念し、末脚に賭ける」であろう3歳馬シュネルマイスターの「戦法」は、マイルCSにおける好走条件に該当しない。

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■マイルCSも「大型馬」が好走する

次にマイルCSの好走パターンについて分析する。

・1200m【2-1-0-6】 勝率22.2%、連対率33.3%、複勝率33.3%
・1400m【0-4-2-34】勝率0.0%、 連対率10.0%、複勝率15.0%
・1600m【4-4-2-59】勝率5.8%、 連対率11.6%、複勝率14.5%
・1800m【2-0-3-29】勝率5.9%、 連対率5.9%、 複勝率14.7%
・2000m【1-1-3-16】勝率4.8%、 連対率9.5%、 複勝率23.8%
・2400m【1-0-0-1】 勝率50.0%、連対率50.0%、複勝率50.0%

このように前走同距離だったローテを歩んできた馬が馬券内の大半を占めているが、意外にも前走1200m組が勝率22.2%、連対率33.3%、複勝率33.3%と好成績を収めており昨年のグランアレグリアと16年ミッキーアイルがスプリンターズSからマイルCSのローテで快勝している。

またシュネルマイスターを管理するのは11月17日現在、調教師リーディングで3位の成績を収めている手塚調教師。本年度は【43-35-31-207】と勝利数、連対数ともにトップクラスの成績だが、阪神競馬場の成績は【0-1-0-10】となっており、先週行われたデイリー杯2歳Sの2着馬ソネットフレーズしか馬券内に好走できていない。シュネルマイスターを筆頭に、ユーバーレーベンやウインマリリン、アサマノイタズラなどクラシック級の馬を揃えるものの関西圏で1勝もできていないとなると不安点ばかり目に行ってしまう。

有力馬が次々と脱落し、「大波乱」の結末となったエリザベス女王杯。馬体重442キロのレイパパレや452キロのアカイトリノムスメ、424キロのテルツェット、そして472キロのウインマリリンなど有力馬たちが軒並みタフな馬場に対応できず大敗し、一方でアカイイトやステラリアなどの重厚感ある「パワー型」の差し馬が好走した。日を重ねるごとに馬場への負担が大きくなり、こちらの想像以上にタフな馬場と変化していると判断すべき結果といってもよいだろう。阪神開催となった昨年も502キロだったグランアレグリアが快勝し、2019年の2着馬ダノンプレミアムは506キロ、18年の3着馬アルアインは520キロと3年連続で大型馬が好走している傾向からも、「馬体重」もカギになりそうだ。

以上の不安点から馬券の妙味を考えると、シュネルマイスターは「消し」の評価。

後編」ではシュネルマイスターに代わる本命、そして穴馬4頭を含めた結論を紹介する。

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文・西舘洸希(SPREAD編集部)


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