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【ラグビー/大学選手権】圧勝で4強進出の帝京大に実力伯仲の3校は迫れるか 準決勝の行方を占う

【ラグビー/大学選手権】圧勝で4強進出の帝京大に実力伯仲の3校は迫れるか 準決勝の行方を占う
(C)GettyImages

■帝京が4年ぶりの栄冠を手にするか

準々決勝を唯一、圧勝したのが帝京大学だ。前半13分で3トライを奪って、関西大学Aリーグ4位の同志社大学を圧倒。体格、接点の強さ、戦術など、あらゆる点で上回った。帝京は1試合でのペナルティを5つ以下に抑えるという高い目標を掲げていて、この試合もトータル8つしか与えなかった。奪ったトライは12、最終スコアは76-24だった。

以上、4試合の結果、準決勝の組み合わせは、東海大学vs明治大学、帝京大学vs.京都産業大学となった。東海大と明大の一戦は接戦が予想される。両校ともスクラムには自信を持っており、チャンスを生かす決定力の勝負となりそうだ。

東海大のキーマンはフィジーからの留学生、ワイサケ・ララトゥプア(LO)とレキマ・ナサミラ(FL)が強力。ブレイクダウンでグイグイと前に出ることができれば、得点につながりそうだ。明大は石田吉兵(WTB)。167センチと小柄だが、東京オリンピックの7人制代表にも選出された脚力が武器だ。彼が自在に走り回るシーンが出れば、突破口が開けるだろう。

帝京は4チームの中で頭ひとつ抜け出た印象。187センチの1年生ロック、青木恵斗を中心としたフォワードは、セットプレー、ブレイクダウンで強さを発揮する。調子に乗せると、準々決勝同様、手がつけられなくなる。京産大はフナキ・ソロモネアサエリ・ラウシーの両ロックで帝京の勢いを止め、船曳涼太(WTB)、廣田瞬(SH)、竹下の個人技で混戦に持ち込みたい。京産大が決勝に進めば、同校史上初となる。

3大会、優勝から遠ざかっている帝京が王座を奪還するか、あるいは実力伯仲の3校が競り勝つか。帝京を巡る戦いとなりそうだ。

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著者プロフィール

牧野森太郎●フリーライター

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ライフスタイル誌、アウトドア誌の編集長を経て、執筆活動を続ける。キャンピングカーでアメリカの国立公園を訪ねるのがライフワーク。著書に「アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅」「森の聖人 ソローとミューアの言葉 自分自身を生きるには」(ともに産業編集センター)がある。デルタ航空機内誌「sky」に掲載された「カリフォルニア・ロングトレイル」が、2020年「カリフォルニア・メディア・アンバサダー大賞 スポーツ部門」の最優秀賞を受賞。